地元の声「期待」「一部だけ」 柏崎刈羽原発の再稼働で経済効果は?《新潟》
原発が立地する柏崎市の議会は21日、早期の再稼働を求める請願について賛成多数で採択しました。請願では原発が再稼働することで地域経済の活性化につながるとされています。“原発のまち”に住み原発に揺れてきた地元の人の思いを聞きました。
柏崎市に事務所を構える「大和タクシー」。柏崎刈羽原発の1号機が運転を始めるずっと前から地域の足を担ってきました。
元井春夫社長は原発が動いていた当時は人の動きがあったと振り返ります。
元井春夫さん
「出張した人をホテルから原発へ送ってまた夕方に迎えに行く仕事がかなりあった。東日本大震災から全部稼働が停止してほとんどそういう仕事がなくなった」
さらに新型コロナの影響で売り上げは減少。今はコロナ禍前の8割ほどまで回復しましたが再稼働によって、街の経済が活発になることを期待しています。
元井春夫さん
「定期検査によって人間が入って きて、人口が増えれば増えるほど経済は豊かになっていくと思います」
原発が停止しているこの12年で柏崎市の中心街の店舗は次々と閉店。
2023年10月にはショッピングモール「フォンジェ」の地下1階にあった食品スーパーが撤退しました。
しかし、このような現象は多くの地方でも起きていて向き合わないといけない課題でもあります。
地元の人
Q原発が再稼働したら地域経済が回りますか?
「一部だけだわ」
地元の人
「再稼働イコールまちの賑わいが一気に増えるというのとはちょっと勘違いかなと思います。動くのと動かないのとでそんなに変わんないと思うんですよ」
原発の再稼働がどこまで地域経済の活性化につながるのか。県は、経済効果について原発が「稼働した場合」、「停止している場合」、「廃炉になった場合」の3つの想定で調査していて、2023年度中に取りまとめ、今後公表する予定です。