×

【解説】停戦合意は 世界が注目…米露首脳が協議

2025年3月19日 2:03
【解説】停戦合意は 世界が注目…米露首脳が協議

アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談が日本時間18日午後11時頃から始まったということです。両者の電話会談は、戦闘終結に向けて交渉を始めることなどで合意した先月12日以来です。停戦案をめぐり、ロシアがどこまで譲歩するのかが、焦点となっています。

   ◇

藤井貴彦キャスター
「世界が注目するトランプ大統領とプーチン大統領の電話会談が今行われているわけですが、改めて、この会談のポイントについて、日本テレビの小栗泉解説委員長が解説します」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「はい、事態が大きく動くきっかけとなったのは、先週、アメリカが提案した『30日間の停戦案』にウクライナが合意したことでした」

「これを受けて、次はロシアが受け入れるかどうか、ロシア側に“ボール”が投げられたわけですが、プーチン大統領は『紛争を平和的に終わらせるという考えには同意する』としながらも、ロシアにとって根本的な原因を取り除くべきなどと注文をつけ、現状では受け入れられないという姿勢を示していました」

藤井キャスター
「トランプ大統領は、受け入れられない姿勢を持っているプーチン大統領から、どうやって合意を引き出そうとしているのでしょうか?」

小栗委員長
「ポイントになるのは『原発』と『領土』です。トランプ大統領はこの会談が始まる前から、この2点についてプーチン氏と話すと宣言していましたが、国際情勢に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授によると、原発とは、ロシアが3年前の侵攻直後から占領している『ザポリージャ原発』のことで、ウクライナだけでなくヨーロッパ全体の脅威になっています」

「一方で、領土はクリミア半島とウクライナの東南部4州を指します。ロシアが一部を占領し、一方的に『併合』を宣言した地域なんです。注目はロシアが原発や領土でどこまで妥協するかなのですが、廣瀬教授は『現時点でプーチン氏が譲ることはないだろう』とみています」

「特に『領土』については隔たりが大きく、ウクライナ側はどれだけ譲っても、今ロシアが占領しているところまで、と考えているのに対して、ロシア側は占領している4州の『全域』をロシアの領土にすることを目指しているため、そう簡単には譲歩しない。戦況もロシアにとって圧倒的に有利なので、余裕がある状況だということで、会談は何らかの進展はあったという形は取ったとしても、合意にまでは至らないのでは、とみています」