時速194キロ死亡事故 判決を前に遺族は「あすの結果はこれからの死亡事故を考えることの1つになる」
3年前、大分県大分市で起きた時速194キロの車による死亡事故について、車を運転していた男に28日判決が言い渡されます。
適用のハードルが高いとされる危険運転致死罪が認められるのか大分地裁の判断は全国的にも注目されています。
この事故は2021年2月、大分市大在の県道交差点で市内に住む小柳憲さんが車で右折しようとしたところ時速194キロで直進してきた車と衝突し亡くなったものです。
大分地検は、被告の男を法定刑が懲役7年以下の過失運転致死罪で起訴しました。
しかしその後、遺族の署名活動などが行われ、検察は法定刑が20年以下の危険運転致死罪に起訴内容を変更しています。
そして11月5日、事故から3年9か月の時を経て裁判員裁判が始まりました。
これまで審理は6回に渡って行われてきましたが「危険運転致死罪」の適用を主張する検察側と「過失運転致死罪」の適用を主張する弁護側が真っ向から対立しています。
28日に迫った判決を前に亡くなった小柳さんの遺族は…。
◆遺族 長文恵さん
「私の中では勝つものは無い。どちら(の判決)になっても家の中は変わらなくて弟は帰って来なくて。あすの判決の結果はこれからの交通事故、死亡事故を考えることの1つになると思っている」
危険運転致死傷罪を巡っては成立の条件が明確でないため適用のハードルが高くなっています。
法改正に向けた議論を重ねてきた法務省の有識者検討会はきょう報告書を取りまとめました。
それによりますと「速度」については交通の状況などに関わらず危険性が認められる「数値基準」を設けてそのスピード以上で走行していれば危険運転の対象とすることが考えられるとしています。
また、飲酒運転ではアルコール濃度の数値基準を定める案が示されました。
報告書は法務省に提出され今後、法改正すべきか検討が進められます。
危険運転の在り方について議論が進む中、28日運命の日を迎える大分での裁判員裁判。
注目の判決はあす午後3時から大分地裁で言い渡されます。