今年の春闘では大手企業で大幅な賃上げに向けて「満額回答」が相次いでいます。

一方、県内の病院では「ゼロ回答」が続いていて、労働組合は待遇の改善を訴えています。

「医師・看護師を増やせ」「大幅 賃金・賃上げを行え」

13日、長野市街地でデモ行進したのは、県内にある病院や介護施設などの労働組合でつくる「県医労連」の組合員およそ100人です。

県医労連　大矢美奈子 副執行委員長
「医療崩壊、介護崩壊がまたまた繰り返されてしまいます。安全安心の医療・介護を提供できるそれが私たちの願いです」

県内では13日朝、長野市の長野赤十字病院労働組合など「県医労連」に加盟する医療関係の8つの労働組合がストライキを決行しました。日本赤十字社に対しては、賃金の一律3万3000円のベースアップを求めましたが、日赤はきのう「収支は厳しい」として、ゼロ回答だったということです。

長野赤十字病院　労働組合　藤本航喜 執行委員長　
「われわれ医療従事者、離職がどうしても多くなっております。原因としては賃金が上がらない、 過酷な労働環境にあるということが多く言われています」「物価上昇に見合った賃金の上昇は得られていません」

コロナ禍から続く「受診控え」の影響でいまも診療報酬は回復せず、加えて、医療に必要な資材の経費が増えているため、病院の経営は苦しくなっているといいます。

一方、長野市の「東長野病院」では、冬に支給される寒冷地手当を「2年後」に廃止すると予告されました。

最大9万円の賃下げとなるため、組合員たちは反対の声を上げています。

一方、今年の春闘では大手企業で大幅な賃上げに向け、満額回答が相次いでいます。

私たちのかけがえのない「命」を守るために。医療従事者に対しても、救いの手が求められています。