本命チョコより自分チョコ!?今年のバレンタイン商戦【長野】
14日はバレンタインデー。チョコレートの原材料であるカカオ豆が高騰する中、バレンタインイベントの会場は、大勢の買い物客でにぎわっていました。
小椿希美アナウンサー
「今年もこの季節がやってきました!きょうは平日にも関わらず大勢の人で賑わっています」
年に1度のチョコレートの祭典、長野市のながの東急百貨店で開かれている「ショコラ ダムール」。71のブランドからおよそ1000アイテムが集まるチョコレートのイベントです。
女性客
「普段なかなかお店で買わないようなものを、せっかくだから買いたいなと思います」
会場には、チョコレートを買い求める多くの女性たち。
年に1度の祭典を楽しみにしていたというこちらの女性は・・・。
店員「いかがですか?どーぞ。1番人気の東京ブラウニーです」
女性「おいしい。これ5個と、これも5個でいいですか?」
店員「かしこまりました」
小椿「全部で何個ですか?」
女性「15個、自分用とあげる用と。ほかの野菜とか高いのはすごい躊躇しちゃうんですけど、このイベント的なものには使ってもいいかなみたいな。買っちゃいます!」
合計20点。およそ3万5000円分を購入しました。
松屋銀座が実施したバレンタインデーの意識調査によると、今年の「バレンタインチョコ」にかける平均予算は去年より700円ほど多い総額「1万4868円」。特徴的なのは、自分用のチョコにかける予算が、本命チョコの予算を大きく上回り、アンケート開始以来、過去最高額の9000円余りになっています。
ながの東急百貨店 加藤翼さん
「お客様の数は変わってなくてですね、買われる点数も例年通りとなっておりますので、お客様の気持ちとしては自分へのご褒美という気持ちがあると思うので、そういったところは物価高の影響というのはあまりないのかなと会場にいて感じます」
今年のバレンタイン商戦を直撃しているのがチョコレートの原料、カカオ豆の高騰、いわゆる「カカオショック」です。西アフリカなど主要な産地で天候不良などの影響を受け、カカオ豆が記録的な不作になっていることが主な要因です。
価格高騰に対しては店側の工夫も…
ながの東急百貨店 加藤翼さん
「イチゴ特集というのを組んでカカオ、チョコレートの割合を少し減らしたりとか、あとは(包装)資材とかそういったものも、いままで使っていたものを変えたりとか対策をしています」
長野市内のケーキ店でも。
ルールドゥグーテ 木村繁義さん
「(材料のチョコレートは)ものによりますけども、下手すると1番高いのは3倍くらい高くなってますね。」
例年は、チョコレートの使用量が多いボンボンショコラやトリュフが主流でしたが、今年のメインはチョコレートを使った「焼き菓子」に。ザクザクに焼き上げたショートブレッドに、チョコレートをコーティングした商品を新たに用意しました。
比較的、低価格で提供できるものの、作業量は例年の5倍以上だといいいます。
従業員
「失敗できないので、1個1個集中して落とさないように。手作業なのでそういう部分が大変だなと」
ルールドゥグーテ 木村繁義さん
「チョコレートそのものは高くなっていますけど、私がいま作っているお菓子は去年に比べて7割から8割くらいチョコレートを減らして作ってるんですね。その関係でお買い求めいただける価格。販売価格も正直言うと結構下げることができました。試錯誤して、少しでもチョコレートを使ったお菓子を作りたいという思いから考えました」
「カカオショック」で迎える今年のバレンタインデー、作り手の努力がほろ苦くにじんでいるようです。