×

【国内初】アフリカゾウ「マオ」人工授精実施 ドイツの獣医師らが協力 全国の動物園も注目 岩手・盛岡市動物公園ZOOMO 

2024年7月4日 18:56
【国内初】アフリカゾウ「マオ」人工授精実施 ドイツの獣医師らが協力 全国の動物園も注目 岩手・盛岡市動物公園ZOOMO 

 国内初となるゾウの人工授精が、岩手県の盛岡市動物公園ZOOMOで4日行われました。全国の動物園からも担当者が訪れ、注目が集まりました。

4日午後、大きな仕事を終えたマオです。

記者「盛岡市動物公園ZOOMOではきょう、国内初となるアフリカゾウの人工授精が行われました」

 人工授精に臨んだのは、メスのアフリカゾウ「マオ」。2002年生まれの22歳です。3日には、人工授精によるアフリカゾウの繁殖に海外で50回以上成功しているドイツの獣医師・ヒルデブラント博士らが来日し、採血やエコー検査で人工授精にベストなタイミングを確認しました。

 そして4日、関係者10人ほどが集まり、午前8時半ごろから南アフリカで採取した野生のアフリカゾウの精子を使って人工授精を行いました。

 国内でゾウの人工授精が行われたのは初めてだということで、全国11の動物園から見学者が訪れ、注目されました。

ヒルデブラント博士
「日本で初めての人工授精だったが、動物園の準備がしっかりしていてスムーズに進めることができた。マオの状態やタイミングも良く、妊娠を期待したい」

盛岡市動物公園ZOOMO 竹花秀樹さん
「マオとは(盛岡に来てから)18年くらいずっと一緒にいて、日本初の人工授精を目指してきて5年半、やっと第一歩という感じよく頑張ったねと声をかけました」

 その後、マオは餌を食べるなど普段と変わらない元気な様子を見せていました。

見に来た人
「子どもたちとかもゾウ好きだと思うし、見れる機会が増えるんだったら良いことだと思う」

 ZOOMOは、2006年から「マオ」を飼育し、子宮の病気のリスクが高まる前までの妊娠を目指して繁殖に取り組んできましたが、妊娠には至っていませんでした。

 国内のアフリカゾウは2013年愛媛県での出産が最後で、現在オスは4頭だけ。メスを含めても22頭と年々減少しているということです。飼育頭数が減少する中での繁殖は難しく、人工授精を目指すことになり去年、ヒルデブラント博士らと契約をして準備を進めてきました。

 ゾウは、排卵をして妊娠ができる「発情期」が年に3回ほどしかないため人工授精のチャンスが限られている中、迎えた4日。

 今後は妊娠するかどうかが焦点となりますが、妊娠が分かるのは3か月から半年後だということで、ゾウの妊娠期間はおよそ22か月に及ぶため、出産時期は早くて2026年の春ごろを見込みだということです。

 今回妊娠していない場合でも、ZOOMOではドイツの獣医師チームらと人工授精に挑戦するということで、関係者一丸となった取り組みが続きます。

    テレビ岩手のニュース