【盛岡市】市内全域の下水道を緊急点検 埼玉県の道路陥没事故受けて
埼玉県で発生した、下水道の破損が原因とみられる道路陥没事故を受けて、岩手県盛岡市は、市内全域で下水道の緊急点検を行っています。14日の調査を取材しました。
14日朝、盛岡市の職員が北上川のそばのマンホールを開けていました。下水道の緊急点検のためです。
有毒なガスがたまっていないか確認した後、地上から3.6メートル下のスペースに降り、状況を確認しました。
盛岡市上下水道局下水道施設管理課 高橋宏樹課長
「腐食の恐れが大きい所、40か所ぐらい。そこは5年に1回点検している。前回は令和3年度ですので、次は令和8年度でしたけど、緊急点検ということで前倒しでやっております」
1月、埼玉県八潮市で、県道が突然陥没。道路の下に敷かれた直径およそ5メートルの下水道管が、老朽化で崩れたことが原因と見られています。
転落したトラック運転手は、いまも安否不明。住民およそ120万人が、2週間余りにわたって下水の使用が制限されるなど、甚大な影響が出ています。
1年以上前倒しで実施に踏み切った盛岡の緊急点検。こちらの下水管は設置から46年。直径1.2メートルです。周りの壁や下水管に腐食や詰まりなどがないか、肉眼とカメラで確認し、異常がないことが分かりました。
高橋課長
「管も老朽化しています。下水道、上水道も生活に欠かせないライフラインですので緊張感を持って、今後もこのような点検ですとか維持管理を続けてまいりたいと思っております」
盛岡市によりますと、市内の下水道の総延長は、岩手県から沖縄県までの直線距離に相当するおよそ2000キロメートル。菜園地区には、一番古い70年のものもあるということです。今後、設備の修理や点検に一層費用がかかるため、4月から下水の使用量を、平均で従来料金の25%、値上げします。
市内の緊急点検は、3月上旬までには終えるということです。