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私立学校教員のなり手不足解消へ 「履歴書預かり制度」でマッチング

2024年7月10日 18:55

#○○がお伝えしますのコーナーです。
教員のなり手不足が深刻な問題となる中、県内の私立学校はおととし、教員の確保に向け新たな制度を導入しました。
学校と教員志望者をマッチングする取り組みを藤崎アナウンサーが取材しました。

先月行われた県内の公立学校の教員採用試験。
1次選考の受験者は962人で初めて1000人を下回り、競争倍率は過去最低の2.6倍でした。
こうした教員のなり手不足は公立だけでなく私立学校でも深刻化しています。

(都城聖ドミニコ学園 持永一美校長)
「教員採用試験を複数回行っているところもあるのですが(募集を)出したとしても応募がなかったり」
「特に3月は次年度の教員確保に向けて公立学校と私立学校で教員の奪い合いになっている現状は否めない」

私立学校ではこれまで、それぞれの学校法人が独自で教員の採用試験を実施。
教員のなり手不足が続く中、県内の私立中学校9校と私立高校14校が加入する県私立中学高等学校協会は、おととし8月からある取り組みを始めました。

それが「履歴書預かり制度」です。

これは、協会が私立学校の教員を目指す人の履歴書を一括して受け付け、年齢や専攻科目などの情報をそれぞれの学校に提供。
学校のニーズと一致した場合、学校から教員志望者に直接連絡して採用試験を行うという制度です。

(県私立中学高等学校協会 田中浩一事務局長)
「協会に申し込むことによって、県内の各私学に連絡がいってマッチングができるので非常に使いやすいと思います」

都城市出身で英語の教員免許をもつ河崎太亮さんは、これまで県内の公立中学校などで講師として勤務。

協会に履歴書を送ったところ、英語の授業とソフトテニスの指導ができる教員を募集していた都城聖ドミニコ学園とマッチングし、今年度、採用されました。

(都城聖ドミニコ学園 河崎太亮教諭)
「自分のライフサイクルを考えることができ、転勤がないため授業や部活動でより多く生徒と関わることができるということで私学教諭を目指しました」
「いくつかの学校から連絡をいただきましたが、自分で選べるところに魅力を感じました。関わっている生徒が将来の夢を叶えたり、部活動でも目指している結果を残せるように頑張っていけたらと思っています」

協会には、この制度を導入してからのおよそ2年間で20件の履歴書が届き、このうち4人が私立学校の教員になりました。

しかし、制度の認知度はまだ低いのが現状です。

県内のおよそ3割の生徒が進学する私立高校。
協会では制度の周知を徹底し利用が広がることで教員不足の解消につなげたい考えです。

(県 私立中学高等学校協会 田中浩一事務局長)
「特に学生の皆さん、それと教員免許は持っているけれども子育てで今辞めている方、他の仕事をしている方などもこの制度でいろいろな選択ができる」
「この制度が今後、広まっていくことでいろいろな人が私学に興味を持ってもらって教員になる人が増えるのではないかと期待しています」

今年度分の履歴書の受け付けは、6月1日からスタート。
来年3月20日まで私立学校の教員志望者を募集しています。

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