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友人からカミングアウトされたら…性的マイノリティの当事者が酒田市の中学生に体験談語る

2023年10月24日 17:12
友人からカミングアウトされたら…性的マイノリティの当事者が酒田市の中学生に体験談語る

多様化する性のあり方について考えてもらおうと、性的マイノリティの当事者が自身の体験談を中学生に語る講演会が、山形県酒田市で開かれました。

酒田市立鳥海八幡中学校に23日、に講師として招かれたのは、愛知県出身の俳優でボイストレーナーの西原さつきさん(37)です。

西原さつきさん「性別適合手術を受けて戸籍を男性から女性に変えました」

西原さんは体は男性として生まれましたが26歳の時に性別適合手術を受け、戸籍上も女性となりました。自分が自認する性と身体上の性が異なるトランスジェンダーとして、自身の経験を伝える講演活動を続けています。
今回、西原さんを講師に招いた小野寺裕美教頭です。男女の区別にとらわれず多様化する性のあり方について生徒たちに学んでもらおうと、西原さんの講演会を企画しました。鳥海八幡中学校では、性の多様化などに対応するため、男子は詰め襟、女子はセーラーだった制服を来年度からともにブレザーへと変え、さらにスカートとスラックスを選択できるようにする方針です。

酒田市立鳥海八幡中学校小野寺裕美教頭「多様性に対応した制服をという子どもたちの思いをかたちに制服を来年度から変える。西原さんにさまざまな多様性についての生き方を講演していただく」

西原さつきさん「中学3年生のときの私の写真です。髪の毛を切るのが当時すごく嫌だった。学ランがすごく嫌だった。体育の着替えとかプールとか修学旅行のお風呂とかそういう時間が自分にはストレスだった。こういう話を誰にも言えないのが本当につらかったしきつかった」

表面的には明るく振る舞いながら、胸の内では暗く沈んだ中学時代を過ごしたという西原さん。
中学生たちに伝えたいのは、友人から「自身が性的マイノリティである」と打ち明ける“カミングアウト”をされたときの対応の仕方です。

西原さつきさん「自分がこの人に信頼されているんだなと解釈してあげてください。教えてくれてありがとうねと言ってあげるだけで本人はめちゃくちゃうれしい」

講演のあと、西原さんは生徒たちからの質問にも一つずつ答えていました。

生徒「なぜ性的適合手術を受けようと思ったんですか?」「当時の彼氏が『手術を受けて戸籍が変わったら結婚しようよ』と言ってくれた。結婚するためにがんばろうと思って怖かったけど手術を受けることができた。あの人がいたから手術に振り切れた。恋愛がきっかけでした」

生徒は西原さんの体験を真剣な表情で聞いていました。

生徒は「LGBTQ(性的マイノリティ)について初めて知ったけど意外といっぱいいることにびっくりした」「見た目とかで判断しないでその人の気持ちをしっかり考えて友達のなかの友達としてしっかりとその人を守っていけたら」

西原さんと生徒たちは講演を通して多様な性のあり方をどう尊重するか、考えていました。

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