高速道路での「あおり運転」東北中央道で通報多く 「余裕を持った運転を」県警呼びかけ
山形県内では10月、高速道路で車の走行を妨害するいわゆる「あおり運転」をしたとして男2人が逮捕されました。こうした「あおり運転」、県内の高速道路では東北中央自動車道で最も多く発生していることがわかりました。その背景を取材しました。
10月11日、いわゆるあおり運転をした道路交通法違反の妨害運転の疑いで、酒田市の男ら2人が逮捕されました。あおり運転での逮捕は県内初です。
2人はことし9月、新庄市の東北中央自動車道で、大型トラックを追い越した直後に運転する軽乗用車を減速してトラックを停車させました。その後、車を降りてトラックの窓ガラスをたたくなどした疑いです。警察の調べに対し2人は「クラクションを鳴らされ、腹を立てた」と話したということです。
こちらはこの事件が起きた現場です。付近は片側1車線の区間が長く続いています。2人はトラックへの妨害行為の前に別の車に対しても後ろから距離を詰めるあおり運転をしていたとみられています。
山川麻衣子アナウンサー「東北中央道を新庄方面に向かっています。このあたりは片側一車線の道路が続いています。県内ではこういった片側一車線の道路であおり運転が起きやすいということです」
実況「後ろに何台か車が続いていますが、しばらく一車線の道路が続くので、追い越すことはできません」
実況「法定速度で走っていたのですが、2車線になった瞬間、抜かされました」
県警高速隊によりますと、ことし、県内の高速道路で発生した「あおり運転」の警察への通報件数は9月末時点で70件に上っています。道路別では、最も多かったのが東北中央自動車道の54件で、全体の8割近くを占めます。次いで日本海東北自動車道で12件、山形自動車道で4件でした。
県警高速隊・梅津敦副隊長「あおり運転の多くが東北中央自動車道の一車線区間。形態としては、車間距離をつめられて危険を感じた、『車間距離不保持』についての通報が多い状況です」
警察によりますと、東北中央道は追い越しができない片側1車線の区間が多いため、急いでいる車が前の車との車間距離を詰めてしまう傾向があり、あおり運転が起きやすい道路だということです。特に、米沢市の福島県境付近や尾花沢市から舟形町にかけての区間で、多発しているといいます。
県警高速隊・梅津敦副隊長「時間に余裕がない、約束の時間に間に合わせたいと、あせっている車がどうしても前の車に接近して、急ぐあまりに、車間距離不保持になってしまうようです。あせる気持ちが、あおり運転や妨害運転につながってきます」
県警高速隊はあおり運転を起こさないために時間に余裕を持った運転を呼びかける一方、取り締まりや警戒を強化していくとしています。