高齢者の身体能力低下を疑似体験 山形市で「ちぇっとサポーター養成講座」
山形県内でも高齢化が進む中、高齢者の身体能力の低下を疑似体験し、必要なサポートについて考えようという講座が25日、山形市で開かれました。スーパーマーケットでの買い物の場面を疑似体験した参加者たちが感じたことは。
講座「子どもたちに高齢者って何歳以上を言うと思うと聞くと40代とか言うんですよ」
山形市内に集まったのは30代から80代までの男女8人。講座の名前は「ちぇっとサポーター養成講座」です。
「ちぇっとサポーター」は市民の有志に高齢者など支援が必要な人の手伝いを気軽にしてもらおうというもので、今回の講座は山形市社会福祉協議会が初めて開催しました。
はじめに講師から高齢になると物忘れや目が見えにくい、関節が硬くなるなどの身体能力の低下が現れてくることが紹介されました。その後、参加者たちは高齢者の体を疑似体験しました。
こちらは肘と膝を曲がりにくくするサポーターです。
参加者 男性「固いです。曲がらない」
女性「服のボタン付けるのすごい大変そう。届かない」
参加者たちはおよそ300メートル離れたスーパーマーケットまで歩きました。
参加者「いつもより3割くらい動かせない感じ。でも買い物は行かないといけないので、動かなきゃいけないけど動きたくないという葛藤がある」
スーパーでは肘と膝のサポーターに加えて、白内障などで目が見えにくい状態を体験するためのメガネと耳を聞こえにくくするイヤーカフを装着。取材した記者もメガネやサポーターを着けて高齢者の体を疑似体験しました。
記者リポート「商品の色が白みがかって見えづらい状況です。商品名はなんとなく見えるが値段は近寄らないと見えづらいです」
食品売り場を訪れた参加者たちは・・・
買い物「紅はるかとサツマイモは読めるが上の文字が見えない。何をアナウンスされているのかわからない」
男性「物がどんな感じなのかわからない。牛と豚の区別が全然つかない。食べたいもの選ぶの大変だろうなと思う」
今度はサポーター役が高齢者役を補助しながら買い物を実践しました。
レジ「ありがとう。下に下に」
「サポーターに連れて行ってもらうだけですごく心強かった。一人で歩くのとても怖くて一番怖かったのがレジに向かうのが心配。ボタンを押せるかなとか会計ちゃんとできるかなが一番不安だったので隣にいてもらえて安心した」
参加者たちは疑似体験を通じて、これまで気が付かなかった高齢者のサポートのポイントなどを学んでいました。山形市社会福祉協議会では3月には「移動販売」での買い物サポーターや高齢者とおしゃべりするサポーターといった「ちぇっとサポーター」の養成講座を開く予定です。