山形市中心部のウナギ料理の老舗「染太」が最後の営業日 多くの客が別れ惜しむ
山形市中心部で70年以上に渡り愛されたウナギ料理店「染太」が31日、最後の営業日を迎えました。多くの客がウナギを味わい別れを惜しみました。
山形市七日町3丁目にあるウナギ料理店「染太」です。営業最終日、、昼時には多くの客がウナギを味わっていました。
客「よく親父と親子3人で来た思い出があってきょう最後ということで来た。大人になってからあまり来る機会がなかったのでこういう味だったかなと思い出しながら食べてる」
「染太」は77年前の1947年に山形市七日町で営業を開始し2年後の1949年に今の場所に移転しました。毎年7月の「土用の丑の日」には、店の前でウナギを炭火で焼く様子が風物詩となっていて、市内外から多くの客が訪れていました。しかし外食需要が多様化し、「土用の丑の日」以外の時期の客足が減少したことやウナギの稚魚の減少による仕入れ価格の高騰が経営を圧迫。こうした状況から今後の事業継続が難しいと判断したということです。
「うな丼1つ」「お待たせしました」
閉店の知らせを受け5月始めから客足が倍増したということです。最後の日も店内ではウナギを食べに、また持ち帰りの弁当を取りに来る人の姿がありました。
「大変おいしい味わっていただきます。早く来ればよかった本当に」
「何年かぶり。あまじょっぱいおいしさ」
「きょう最終日だから来た。毎年土用の丑の日に来てることしくらい7月(丑の日)出してもらえると」
また、山形市が取り組んでいる中心市街地エリア再開発に伴い今後道路の拡幅工事が行われ、「染太」の建物の一部もエリアに入っています。今後建物をどうするかは未定ということです。
染太・佐藤憲一社長「予想以上にお客さんからの声援とか惜しかったねとかもっとやってくれよとかそういう声がいっぱい聞こえて胸が締め付けられるような思い。一旦精算してまた新しい道を考えようかなとまだ余裕はないが」
山形市の中心市街地をにぎわせた伝統の店がまた一つ、姿を消します。