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舟形町の最上小国川アユの「やな場」崩壊 海水浴場には多くの漂流物 庭月観音も本堂浸水

2024年8月2日 18:11
舟形町の最上小国川アユの「やな場」崩壊 海水浴場には多くの漂流物 庭月観音も本堂浸水

山形県内を襲った記録的な大雨による被害は依然、全容把握に至っていません。こうした中、舟形町では特産のアユを取る「やな場」が崩壊するなど各地で新たな被害が確認されています。

舟形町舟形を流れ、アユで知られる最上小国川では2日、小国川漁協の組合長らが橋の上から川の被害状況を確認していました。

小国川漁協・伊藤欽一組合長「正直言ってここまで酷いとは思わなかった。過去にも川の水は何度となく出たがここまで酷くなったことは無かった」

例年は梅雨が明けた今がシーズン最盛期の「アユ釣り」ですが、釣りをする人の姿はありません。

NNN取材団・伊藤悠貴記者「川の水はやや濁った程度ですがアユのやな場は現在も鉄骨がむき出しの状態となっています」

7月26日に撮影された川の様子です。増水した川が濁流となっています。今回の記録的な大雨で、舟形町特産のアユを捕まえる「やな場」が崩壊する被害を受けました。
漁協によりますと、最上小国川のやな場は舟形町に4つ、最上町に2つの合わせて6つ設置されていて、その全てが被害を受けたとみられています。

小国川漁協・伊藤欽一組合長「復旧にはかなりの手間とお金がかかるのかな。取れなくなると来年のアユの生育に非常に支障をきたす。やな場は早急に復旧させて10月の落ちアユを捕まえなくてはならない」

また、このやな場付近で行う予定だったアユ釣りのイベント2件が延期になったということです。
アユ釣り復活の見通しはー。

小国川漁協・伊藤欽一組合長「今の段階ではアユが食べるイシアカやコケがついていない。コケが付くのは来週後半。来週の後半になればある程度お客様が来てもそれなりの釣果は期待できると思う」

一方、舟形町内の飲食店では3日の営業再開を前に店の準備が進められていました。
多い日には1日400本が売れるというアユの塩焼きが人気ですが、大雨の被害を受け、休業を余儀なくされました。

小国川観光・生駒雄司代表「泥も40センチぐらい堆積していて処理をするのが大変」

店には多くの土砂が堆積しましたが、15人の従業員が総出で片付けを行ったということです。

小国川観光・生駒雄司代表「お客様のために早く営業して軌道に乗せておいしいアユを食べさせたい」

店では3日から時間を短縮して営業を再開しアユの塩焼きも販売するということです。

海水浴場にも大雨の影響が出ています。遊佐町の西浜海水浴場です。
波打際に上げられているのは長さが10メートルほどある流木です。

:遊佐ライフガード 深瀬 靖彦代表「本来だと町の方から重機が来てすぐにでもきれいにしてもらえるがいまこういった事態になっている。本当に被災された方がいっぱいいらっしゃるのでいろいろな地区の方がこんなにとんでもない雨が降って本当に床上浸水して大変な思いをしているのに『こっちに』となかなか言えないのが本音で」

今回の大雨以降、砂浜に流れ着く流木などの漂着物が多くなり、毎日、ライフセーバーが清掃しています。遊佐町内を流れる川や最上川から流れ着いた可能性があるとみられています。こうした丸太は人の手では動かすことができないため重機の到着を待つ状況が続いています。西浜海水浴場から1キロほど北にある同じく遊佐町の釜磯海水浴場にも漂流物が流れ着き毎日、ライフセーバーが砂浜を清掃しています。
遊泳エリア外の砂浜には打ち上げられた流木や工事用で使う大型のパイプがいまも残されています。梅雨が明けて夏本番を迎え、海の安全を守るライフセーバーたちは大雨の被害を受けながらも訪れた人たちに海水浴場を楽しんでもらおうと奮闘しています。

遊佐ライフガード深瀬 靖彦代表「僕らも一生懸命みんなで力を合わせてゴミを拾ったり、お客さんを安心・安全に海水浴をしてもらえたりするように努力します。本当に釜磯も十里塚もみんなライフセーバーたちは本当にお客様に来てほしいという気持ちがあるし、遊佐の高校生もバイトに来ていてその子たちもやっぱり地元の海を守りたいという気持ちの熱い子たちしかいないから本当に僕たちもいろいろな力を借りて微力だけどこの海水浴場にいっぱいお客さんが来てもらえるように頑張りたい」

一方、鮭川村庭月を流れる鮭川の堤防沿いにある最上三十三観音の一つ「庭月観音」では、今回の大雨で本堂が床上まで浸水する被害が出ました。

庭崎賢恵住職「ここまで水が来た。ここまでだから仏像の足元まで浸水した」

浸水によって、書類や掛け軸、仏具などが濡れたほか、仏像の一部や江戸時代に奉納された絵馬も被害を受けました。

庭崎賢恵住職「これは巡礼とか念仏踊りの絵馬で明治時代のもの。(江戸から明治にかけて?)すごく貴重なものなんですそれがこうなっちゃうんです」

住職によりますと、庭月観音で毎年8月18日に行われ県内外から多くの人が訪れる「灯篭流し」はことしは、大雨の影響で鮭川に流さず規模を縮小して境内のみで行う予定です。

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