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山形県産米や野菜使いアレルギー対応ベビーフード開発 きっかけは自身の子ども

2024年2月26日 18:20
山形県産米や野菜使いアレルギー対応ベビーフード開発 きっかけは自身の子ども

先日、優れた起業家を表彰する「山形市創業アワード」で離乳食を製造する会社を立ち上げた女性が最優秀賞に選ばれました。その離乳食は県産のコメや野菜、水産物を使い、アレルギーに対応したベビーフードです。開発した思いを取材しました。

2月17日に開かれた、「山形市創業アワード」の決勝大会。一般部門で最優秀賞を受賞したのは山形市でアレルギー対応の離乳食を製造販売する「keiki li‘ili‘i(ケイキ・リィ・リィ)」の浅野佳織さん(40)です。

keiki li‘i li‘i浅野佳織さん「どこにいてもアレルギーの子どもが安全に食事を楽しめるようにそんな思いから生まれたのがこのベビーフード」

浅野さんが開発した離乳食「太陽と月のひかり」。卵や牛乳、小麦などのアレルギーになりやすい食品や保存料などを使用せず、原材料には県産の有機米や有機野菜などを使ったおかゆやスープなどです。
浅野さんは5人の子どもの母。開発は、自身の子どもの食物アレルギーがきっかけとなりました。

keiki li‘i li‘i浅野佳織さん「私の息子が重度の食物アレルギーがあり食べ物に対する考えがガラッと変わった。同じような思いをしている子どもがたくさんいることを知り、子どもたちやママの助けになれるように開発したのがきっかけです」

子どものアレルギーについて山形市内で聞いてみるとー。

「急にアレルギー症状が出た時があった。新しい食べ物をあげた日ではなかったので分からなかったが試していくうちにヨーグルトで出たと分かった。本人は好きだったみたいで食べてくれるのがヨーグルトだったのでカルシウムとかたんぱく質とかどうしようという感じだった」

日本学校保健会がおととし行った調査では、全国の小中学校や高校などに通う児童生徒のうち、およそ52万7000人に食物アレルギーがあるとされています。これは11年前の調査結果に比べ、およそ12万人多くなっていて、増加傾向にあります。浅野さんの子どもも卵や牛乳などへのアレルギーがありました。

keiki li‘i li‘i浅野佳織さん「ほとんどの物に卵や牛乳が使われていて僕は食べられないね、と。僕は食べられないんだという思いをさせてしまった。アレルギーが悪いわけではないが食べられない物がたくさんあることを思い知った。そういう子が自分はこれがあるから大丈夫という安心材料になればいいなと作った」

商品は材料を刻む細かさや柔らかさなどを変えて生後5か月や7か月など月齢ごと対応した5種類に分けられています。

また、原材料は県産の有機栽培米や有機野菜にこだわり、これまでに120種類以上のメニューを販売しているということです。

現在は、オンラインのほか、山形市内のスーパーや道の駅やまがた蔵王、市内の児童遊戯施設などで販売されていて、今後は、高速道路のサービスエリアや県外などにも販路を拡大したいとしています。

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