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”住宅街にクマが”山形市で対応訓練 高い捕獲技術有する特別チームも出動

2023年11月17日 20:15
”住宅街にクマが”山形市で対応訓練 高い捕獲技術有する特別チームも出動

ことし山形県内では市街地でのクマ出没が相次いでいます。こうした状況を受け、山形市は17日、住宅地にクマが出没したことを想定した対応訓練を行いました。

 山形市の東沢地区で行われた訓練には、市の担当者や猟友会、警察・消防などからあわせておよそ100人が参加しました。住宅地にクマが出没し、住民を襲った事態を想定し対応を確認しました。

訓練「クマに襲われてけがをしている人を発見しまして、右手と右足から出血している模様」

小坂憲央アナ
「訓練が始まりました。山形市滑川の唐松観音堂付近の路上でけが人が発見され、救急に連絡を行っているところです」

 訓練では、けが人を搬送するため救急車が出動したほか、パトカーや市の猟友会のメンバーらが周辺をパトロールしました。
訓練には、近くに住む住民も参加しました。

近隣住民
「野菜が(クマに)やられたので、心配できょうの訓練に来た。すごくクマの被害が増えているので、大変。幸い体を噛みつかれたりしていないけど…」

小坂アナ
「橋のすぐそばでクマが発見されました。これから花火を使って追い払いが行われます」

 訓練では、花火を使ってもクマが立ち去らなかった想定で、駆除するために銃を使う際の手続きも確認しました。

小坂アナ
「模擬銃を手にしたアーバンベア等対応チームのメンバーが現場に到着しました。これからクマの駆除に向かいます」

「アーバンベア等対応チーム」は、県内でことし相次いでいる市街地でのクマ出没を受け、住宅地にクマが出没した際に捕獲を安全かつすみやかに行うため、山形市が8月に猟友会の協力を得て結成しました。
メンバーは散弾銃の使用に慣れているなどクマの捕獲に当たって高い技術を持つ25人が選ばれています。
この日は、そのうちの7人のメンバーが訓練に参加しました。

射撃訓練
「メンバーは警察官に守られながら、クマに近づいていきました。まもなく射撃が行われます…(声で)バン!」

小坂アナ
「発砲したあと、警察と対応メンバーがクマの元へと近寄りました。現在クマの状態を確認している」

 山形市ではことし、クマの目撃や食害がきのう時点で去年に比べて20件以上増加していて、特に、市街地近くでの目撃が多く寄せられているといいます。

山形市環境課 兼子大課長補佐
「クマも含めて、野生動物と人間との共存・共生。一緒に住んでいくことが一番望ましい形だが…。
ことしに関して言えば、かなり住宅地に近いところでクマの目撃情報も増えている。こういった形で訓練を行うことで実際に起きたときにすぐに対応できると思う」

山形市は、今回の訓練を通して見えた対応の課題について改善を図っていきたいとしています。

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