多忙な日中をカバー「日勤」救急隊が発足 “働き方改革”にも期待 甲府地区消防本部
甲府地区消防本部が受けた救急出動要請の件数は2014年以降、コロナで受診控えがあった2020年を除き増加傾向にあり、去年は1万7354件と過去最多となりました。
また、甲府地区消防本部にある9つの救急車がすべて搬送で出払った回数は2019年の3回に対し、2022年には33回と10倍以上に増えています。
出動の時間帯を見ると、救急搬送の約5割が午前9時~午後5時と日中に集中している傾向があります。
こうした現状を踏まえ、甲府地区消防本部は忙しい日中をカバーする「日勤機動救急隊」を新たに発足させました。
日勤機動救急隊は住民の高齢化などを背景に年々増加する救急出動に対応するもので、県内で設置されるのは初めてです。
隊員は再任用や定年延長のベテラン4人が務め、甲府地区消防本部西消防署の貢川出張所を拠点に平日の午前9時から午後5時まで勤務します。
甲府地区消防本部救急救助課 落合康貴 課長
「日勤機動救急隊を発隊したことにより、当消防本部における全救急隊の出動件数の分散化を図り、合理的な運用に努める」
日勤機動救急隊は今月20日の運用開始から27日までに、病院間の患者の搬送で8件の出動要請に応じたということです。
日勤機動救急隊 小野英男 隊長
「10隊目の救急隊として甲府地区が初めてなので、4名の隊員が一致団結して頑張っていきたいと思いますので、みなさまのご協力をお願いしたいと思います」
今後は育児や介護で夜勤が負担になった職員の配置も検討されていて、救急体制の維持だけでなく現場の働き方改革にもつながると期待されています。