いったいなぜ?ほこらに並ぶ“底抜けひしゃく” の謎 そのワケは… 山梨・身延町
山梨県身延町には、たくさんの“底が抜けたひしゃく”が並ぶほこらがあります。
水がすくえないひしゃくが、いったいなぜ?
身延町の下山地区です。
かつて身延山詣での街道としてにぎわった県道脇の斜面に、たくさんのひしゃくが並んでいます。
荒木キャスター
「こちらに並ぶのはなんと、穴のあいたひしゃく。中には安産祈願と書いてあるものもあるんです」
こちらのほこらに祭られているのは、安産の神様「産宮神」です。
穴の開いたひしゃくの理由は、言い伝えにあります。
その昔、近くに住んでいた夫婦が難産で苦しみ、通りかかった旅の僧に安産を願いました。
僧がお経を唱えて用意させたひしゃくの底を抜いて水を流すと、あらびっくり。
たちまち、元気な男の子が生まれました。
喜んだ夫婦はひしゃくをほこらに奉納して祈ったということです。
そんな言い伝えが残るこの場所は地域の人たちから厚い信仰を集め、今も県内外から安産を願う人が訪れています。
奉納されたひしゃくには、出産予定日や生まれてくる赤ちゃんへのメッセージも記されていました。
「元気で健やかな子が産まれますように」
親の願いは今も昔も変わりません。