【会見一問一答①中居氏に怒り】報告に「衝撃」フジ元専務の関西テレビ社長「2人の間に起きた事案と」「中居氏守る意識なかった、番組いつやめるかは常に頭の中に」「詭弁に聞こえるかもしれないが、これが最善と思って…」
中居正広さんと女性のトラブルをめぐり、当時フジテレビで編成担当の専務を務めていた関西テレビの大多亮社長が、22日に記者会見を行いました。
一連の問題への対応をめぐり、フジテレビに対し、多くのスポンサー企業がCMの差し替えを決めるなど、厳しい目が向けられる中、“当事者”でもある大多社長が語ったこととは―。
一問一答形式で記者会見の詳細をお伝えします(その①)。
■「関西テレビは一切関係していない、フジはきちっと調査を」
(大多社長)
この事案につきましては、私がフジテレビに在籍していた当時、専務取締役をしていた時の事案でございます。私がフジテレビにいた時に関わったのは1年。去年の6月にカンテレの方に来ておりますので、それまでの1年ということになります。
当たり前ですけど、基本的にはこの件に関しましては関西テレビは一切関係しておりません。ですので、本当に関西テレビ視聴者の皆様をはじめ、関係者の皆様、そして弊社と取引をしていただいている方々、関西テレビの社員、スタッフ、多くの皆様にご心配とご迷惑をかけたことは、本当に心からお詫びをしたいと思っております。
まず、関西テレビとしましては、何と言いましても、フジテレビの方にきちっとしたこの件の調査を求めてまいりたいと思っております。
さらに今回報じられているような女性アナウンサーを伴った会食など、テレビ局員と芸能関係者の関係をめぐる問題について、関西テレビについては、この件の調査を求めてまいりたいと思っております。関西テレビとしても社内調査を行いたいと思っております。当社の人権方針にのっとって、きちんと調査をしようと考えております。具体的にいつからどういうというのはまだ決まっておりませんが、早々にこれは調査をしたいと思っております。
■関西テレビでも三十数社のAC差し替え、提供表示を外す対応
Q:この一連の問題で、このカンテレの広告営業、いわゆるCМの影響というのはどうなのか?
(大多社長)
私が聞いている範囲では、30数社のスポンサーの方がAC(公共広告機構の素材)差し替えであるとか、提供テロップを外すというようなことが起きてきております。大変憂慮する事態だと思っております。
営業担当の役員から、本来は全て私が答える会見だと思ってますが、ちょっとこれに関しては(営業担当の役員に)代わらせてください。
(妻屋常務)
番組種別で申し上げますと、主にネットタイムで、先ほど社長が申し上げましたようなACへの素材差し替え、あるいは、提供社名表示の中止というご依頼をいただいております。
大別しますと、「全国を通してそれらの対応をしてくれ」というご依頼と、「関東地区だけAC差し替えもしくは提供社名を外してくれ」というご依頼と、2種類あるという認識をしております。
また、ローカルタイムとスポットに関しましても、一部そういうご依頼はいただいておりまして、ローカルタイムに関しましては、フジテレビの番組で、ローカルCM枠を設定している番組を中心に、そういったご依頼をいただいているというのが現況でございます。
Q:先ほど、関西テレビの社長としての受け止めはいただいたんですけれども、当時の専務として一連の報道や事態について、どう受け止めているのか? 一部報道では、大多社長自身が相談を受けていた、事態を把握していたと報道されていたが、それが事実なのか? 把握したのはいつごろ?
(大多社長)
(フジテレビの)港社長の会見の中でも一部述べられておりますけれども、当然、私は把握しておりました。あの、時期に関してはですね、フジテレビの方でも詳細を言ってないので難しいんですけれども、この事案が起きてからほどなくして、私のもとに報告が上がっております。
『非常に重い案件だな』と思いましたし、ある種の衝撃を私は受けました。とにかく、これはこの女性のケア、プライバシー、人権、心身のケアというのを、本当にどれだけしっかりとやらなければいけないと強く思ったのを覚えております。
その女性が、当たり前なんですけれども、『大事にはしたくない』と。ちょっと言葉はわかりませんけれども、公にならない方がいいし、そういった中で、誰にも知られたくないということだと思うんですけれども、そういう中で、私にまで上がってきたということなんですね。
なので、すごく限られた状況の中で、私は、その情報を得たということになります。 言った通り、大変重い案件でありますので、これは社長には上げねばならない。
僕までで止めておくことも考えられなくもないですけども、っていうのは、知っている人が増えるということは避けた方がいいという考えもありましたが、私の判断で港社長にあげた。その日のうちに(報告を)あげたような記憶があります。
Q:今回の一連の報道であったりとか、フジテレビの会見を受けて、この相談後の対応はどうだったのか?「だれかtoなかい」の打ち切りを見送ったのはなぜか?
(大多社長)
その後の対応に関しては、とにかく彼女のケア、プライバシーを守るということを最優先しようということで、本当に限定された社員が彼女のケアにあたっておりました。
フジテレビの会見の中にもありましたけども、病院の先生に診ていただいたり、専門医に診ていただいたり。
そういう状況の中で、まさに、その「だれかtoなかい」が、まあ、放送をしているというのはどういうことなんだ、ということだと思うんですけども、私の中では、とにかく彼女がわからないように。その中で、番組を打ち切るということが、果たして、彼女のためにどういう風な影響があるんだろうかということをすごく考えていました。
ただ、中居氏の方を守ろうとか、そういう意識はもうなかったですね。
それよりも彼女を守るために、最善の手は何なんだということを考えていましたので、中居氏の方を守って、ズルズルやっているじゃないかというような見解、ご意見を厳しくいただいているのは分かっておりますが、そういう状況でありました。
(大多社長)
当時(番組を)とにかくいつ終わらすのか、いつやめるのかということは常に頭の中にありましたし、これは港社長の会見の中にも『いつ終わらすか、タイミングを図っていた』というような言葉がありましたが、まさにああいうことで当時進んでいた。
漫然とやっていればいいという気持ちはなかったですが、そのことが彼女にとって、『そういうことじゃない』というようなことであれば、我々の考えが至っていなかったのかも知れませんし、だとしたら申し訳なくも思いますし、反省もしなければいけないと思います。
その辺のことは、状況も含めて、フジテレビの調査委員会の中で私も当然調査を受けるでしょうから、話をしていって検証して、どうすればよかったのかということを、きちっとしなければいけないなと思っています。
Q:昨年4月にはカンテレ制作の特番もあった。事前にカンテレ側に、中居氏とのトラブルがあるというのは伝えた?
(大多社長)
もちろんないです。秘匿性が高くてセンシティブな問題だと思っておりましたので、もちろんないです。関西テレビとこの件に関して話したことは一切ないです。
ですので(関西テレビは)当然知らないですし、この事案に関して、関係ないカンテレではそういう企画をして放送したということだと思います。
Q:17日のフジテレビの会見を大多社長はどういうふうに見られたのか?
(大多社長)
こういうとまた怒られるかもしれませんけれども、私は関西テレビの社長でありまして、他社の会見の感想というのは非常に普通だったら述べることもないですし、『そういう立場にありません』というふうに答えるところですけれども、私もその当時関係していた立場ですので、とにかく調査委員会でしっかり調べて検証しようと。であるならば、しっかり調べてほしいと。
生で(会見を)見ていませんが、その後、こういう会見があったというのは書面で見て、しっかりやってほしいなと思いました。
Q:被害に遭われた女性に伝えたいメッセージ、一連の報道を受けて、女性に伝えたいことは?
(大多社長)
まず思うのは、体調が少しでも良くなられているならば、それがまず一番いいなということと、やっぱり思うのは、もう少し寄り添うんだったらどういう形があったのか、彼女のことを思うと足りてたのか、足りてなかったのかということをすごく感じるので、僕はそう思いますので。
Q:大多さんに報告が上がったと思うが、(他の)社員の関与というのは耳に入っていたのか?一部報道では、食事会の設定やある種の性接待というようなことが指摘されているが?
(大多社長)
中居氏とこの女性の間に起きた事案というふうに入っていました。その間に一つの事案が起きていたんですけれども、この人がいてこうなったんだというようなことは、私は把握していなかったです。あくまでもフジテレビ社員が関与していなくて、お二人の問題であるという報告だった。
Q:放送局に勤務した一人として、女性アナウンサーを含め女性社員をいわゆる接待役として同席させるような飲食とかというのが常態化されていた? ご自身も立ち会ったことがあるのか?
(大多社長)
女性アナウンサーとの会食とか、それが社内同士とか、社外のプロダクション、タレントさんとの会食はあります。私はそれ自体が悪いと思ったことはないです。
私自身もそういう会に出たこともありますし、そのことだけで言うと『本当は行きたくなかった』とか『嫌だったのに』ということがあるならば、それは申し訳なかったなと思いますけれども、基本的に会食というのはあります。
ただ、今回報道されているような性の上納とか献上とか、それとは全く性質が違うと思っているんですね。私の中では、そういうことはなかったというふうに思っていますので、全て女性アナウンサーとの会食ということがイコール良くないとか、性の上納につながるみたいなふうには思っていませんでした。
Q:中居氏に対して何か言いたいことは?
(大多社長)
この事案だけを見れば、示談もされていますし、守秘義務もあるのでそこにどうこういうことは私は全くないですけれども、番組を漫然と続けていこうなどと思ったことは一度もなかった、という気持ちと一緒です。
Q:それはある種の中居氏への怒りというものが、ご自身の感情の中にはあったということ?
(大多社長)
そう取っていただいて結構です。
(中略)
Q:中居さんを調査しなかったというのはどういった判断だったのか?
(大多社長)
調査しなかったというか、港社長の会見にもありましたけれども、中居氏の方とのコンタクトというのはあったわけですよ、それは港社長も申し上げています。
なので、話は聞いているということですが、どういうことがあったかという中身を詳細にはここでは申し上げられませんし、全てその女性に何かつながっていくようなことだとお話できないと思います。ただ中居氏に対して、聞いていくことが、私はですよ、私はその女性にあまり良い影響が出ないんじゃないかなとも思っていました。
Q:その後の調査でどういったところまで把握できた?
(大多社長)
我々は当時、やはり女性から聞いている話、それから一部中居氏から聞いている話、それ以上はないですね、情報としては。
Q:どの時点まで調査をするとか決められていた?
(大多社長)
あまり中居氏の方にある意味コンタクトしていくことというのが、女性に対して良いことなのかどうかというのは、すごく慎重に思ってしまったことは事実です。
なんでこんなことがあるのに、なぜもっと積極的にいかなかったということをお聞きになりたいんだと思うんですけども、詭弁に聞こえるかもしれませんけども、彼女を守るためには、早く彼女の例えば体調が良くなるとか、いろんな動きをすること自体が彼女にとってあまり良くないことになるのではないかということをすごく考えていたと思います。
ですから、中居氏を守ったようにも見えたかもしれませんし、番組を続けていたのはなぜなんだ、ということにつながるんだと思うんですけども、彼女を守るがためにそういうふうにしていたことが、それは企業ガバナンスとして違うとか、もうちょっと手があったんじゃないかとか、やりようがあったんじゃないかとか、そういうご指摘だと思うんですけどね。
それは、調査委員会の中でもいろいろ話されるし、検証もされると思いますけども、足りてなかった部分があれば、それは本当に、私自身も反省しなければいけないというふうに思っております。
Q:ご自身でもフジテレビで意思決定に関わるお立場だったと思うが、振り返って問題がなかったと思っていますか?
(大多社長)
問題ないとは思ってないです。問題ないというか、もっと何かできたんじゃないかということです。
企業ガバナンスとしても、もっと何かできることがあったのかどうか、あの状況の中で他に何かいい解決策はなかったのかっていうのは、常に思いますね。それは足りてなかったかもしれないと思っているからです。どうしたらよかったんだろうと。
Q:関西テレビの社長としてのお話ではあると思うんですが、当時のフジテレビの専務としてはどうこの問題を受け止めている?
(大多社長)
基本的には同じですね。何度も言いますけども、我々としては当時、これが最善と思ってやっていた。
でもそれが、もし結果的にガバナンス上、コンプライアンス上足りてないということであれば、それはきっちり検証しなければいけないと思っているのは、別に関西テレビは関係ない。フジテレビの専務としてもそう思います。
※一問一答②へ続く