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【衝撃】京野菜『九条ねぎ』連続窃盗事件で“同業者”ねぎ農家の相次ぐ逮捕劇 「情けない」憤りの声…不安や動揺広がる「今度何度も起こる」

2024年10月19日 10:00
【衝撃】京野菜『九条ねぎ』連続窃盗事件で“同業者”ねぎ農家の相次ぐ逮捕劇 「情けない」憤りの声…不安や動揺広がる「今度何度も起こる」

 京都府南部で栽培されている伝統的な京野菜「九条ねぎ」の農家たちに激震が走っている。今年に入り、収穫期を前にした九条ねぎの窃盗事件が連続発生したが、なんと『同業者』であるねぎ農家が相次いで警察に逮捕された。農業関係者からは「情けない」「同業者と思われたくない」などと怒りの声とともに、「こんな状況なら今後何度も起こる」といった不安や動揺も広がっている。

■窃盗被害は毎回100キロ超え…総量は3.5トン以上

 1300年の歴史をもつ京野菜の代表格で、甘くて風味のある「九条ねぎ」は京都府南部の久御山町周辺が一大産地で、年間を通して栽培されている。広大な畑の周辺は、夜間は暗闇に包まれ、街灯や民家もない。

 警察などによると、久御山町と隣の宇治市で今年6月以降、九条ねぎの窃盗被害は8件で、1回あたり100キロを超える大量のねぎが盗まれていた。被害総量は3.5トンを超え、木津川を挟んだ八幡市でもねぎの窃盗被害が報告されていた。

■逮捕されたねぎ農家は去年から経営「うまく育てらず…」

 8月末、久御山町の畑に設置された防犯カメラは、大きなかごを持った男が次々とねぎを刈り取る様子を捉えていた。

 翌9月、窃盗の疑いで逮捕・起訴されたのは山本英雄被告(28)。久御山町に出入りしていた“同業者”の九条ねぎ農家だった。

 警察や関係者によると、高校卒業後の約10年間、久御山町の九条ねぎ農家のもとで働いたあと、去年からねぎ畑の経営を始めたという。山本被告は取引業者との間で「週800キロを納品する契約」を結んでいたにもかかわらず、不作で収穫が思うようにいかなかったという。

 警察の調べに対し、山本被告は「うまく育てられず経営が苦しかった。金が欲しかった」「他の畑でも、繰り返しねぎを盗んだ」などと話しているという。

■再び起きた事件で逮捕もまた“同業者”…「許せない」「恥ずかしい」

 犯行を繰り返したと供述する男が逮捕されたわずか1週間あまり、八幡市の畑で再び窃盗事件が起きた。約150キロの九条ねぎが盗まれていたのだ。

 そして10月14日、新たに逮捕されたのも、また“同業者”だった。窃盗の疑いで逮捕された35歳の農家は、京都市内でねぎを栽培していたという。警察の調べに対し、「身に覚えがない」と容疑を否認している。

 相次ぐ農家の逮捕に、あるねぎ農家の男性は、「農業をする人がやるべきことではないし、農家として失格。気楽に同業者だとしゃべらないで欲しい、恥ずかしい」と怒りの声を上げた。

 実際に被害に遭った農家は、「ほっとしたけれど、許されないのは誰も同じ考え。京都府には九条ねぎの加工業者がたくさんいるので簡単に金儲けができると思って飛び込んできたのかもしれないが、農業はそう簡単にできない。そんな奴らが生産できるわけがない」と憤った。

■猛暑続きでねぎが成長せず…「事件は来年も起きる」と危惧も

 九条ねぎに限らず、コメや果物など農作物の盗難被害件数は、全国で毎年2000件を超える。広大な田畑に照明や防犯カメラを多数設置するには多額の費用が必要なほか、農作物の被害品を『自分の栽培していたもの』だと証明するのは難しい。同業者が「自身が育てたもの」として出荷していたなら尚更だ。

 九条ねぎの連続窃盗を受け、久御山町の周辺では警察が夜間のパトロールを強化し、京都府は防犯カメラなどの防犯対策に対し、補助金を給付することを決めた。

 一方で、別のねぎ農家の男性は「猛暑で気温がどんどん上がってきている中、どうしても高温すぎてねぎが成長しないことがある。毎年ここ数年そういう状況がずっと続いている」と指摘する。

 山本被告も、栽培がうまくいかず、窃盗という犯罪に手を染めたと供述している。農家の間では、「事件はきっと来年も起こる」と危惧する声がすでにささやかれている。

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