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税金の無駄遣い?約9500万円のトイレ休憩所に賛否の声 活用次第でプラス効果も 奈良・御杖村

2025年2月14日 18:47
税金の無駄遣い?約9500万円のトイレ休憩所に賛否の声 活用次第でプラス効果も 奈良・御杖村

 奈良県御杖(みつえ)村に約9500万円をかけて整備された「トイレ休憩所」。高額な費用に対し賛否が分かれています。

 奈良県東部にある人口約1300人の御杖村。村を東西に貫く国道を走っていると現れるのが、村が昨年2月に整備したトイレ休憩所です。

 奈良県産のヒノキをふんだんに使用した建物には、観光客向けのパンフレットを入れた棚やベンチなどが設けられ、バリアフリーの個室トイレが男性用・女性用1つずつ設置されています。

 ここは、伊勢神宮へとつながる伊勢本街道に近く、観光客からの要望が多く寄せられ、道路の反対側にある、くみ取り式トイレも老朽化していたことから、トイレ休憩所を新設することになったということです。

 利用者
 「立派ですよね」
 「ここに、パッっと来たら、めっちゃきれいなトイレあると思って」
 「ここコンビニとかあんまりないので、そういった意味では助かるかなと」

 利用者からは好評ですが、整備費用はなんと約9500万円。

 御杖村は内訳について、

 ・建物の建築 約1557万円
 ・駐車場の整備など 約1588万円
 ・トイレや浄化槽の設置など 約1008万円、
 ・土地代 約724万円、
 ・設計費 約715万円

などと説明。ただ、年間の予算規模が30億円程度の村としては、大きな支出とも言え、賛否が分かれています。

 村民
 「設備はちゃんとできているというから、そりゃ色々(工事)したら(費用が)かかるんじゃないか」
 「高いですよね。(御杖村は)若者が減っているんで、若者が来られるところにしてほしいですね、それだったら」
 元村民
 「高うても半分でもできるやろ。 他人の金やから、これできるんやろな」

 御杖村は、建設費の高騰に加え、比較的高価な奈良県産のヒノキを使用したほか、駐車場も大型車両に対応するため舗装を厚くしたことで、一般車両向けよりも約1.5倍の費用がかかったと説明します。

 伊藤収宜(かずよし)村長は、取材に対し、
 「観光のPRを含めてこれだけのお金を使っているということを、理解していただけると思っております」

 約9500万円ものトイレ休憩所の整備は必要な支出だったのか、それとも、無駄遣いだったのでしょうか。

◆◆◆◆◆ 

 中谷しのぶキャスター
 「9500万円もかけて作ったトイレ休憩所、村民の方からもいろんな声が上がっていますので詳細も含めて精査してほしいなと思うんですけれども、これだけじゃなくて過去にも他にこういった批判を浴びた事業というのがあるんですよね」

 西尾桃アナウンサー
 「そうなんです。平成の初期に『ふるさと創生1億円事業』と言いまして、国が全国約3300の市町村に一律で1億円を交付して、その使い道は各自治体で考えてください、ということがありました。その際各自治体が知恵やアイデアを振り絞って観光の目玉を作ろうとしました。

 有名なところで言いますと、兵庫県の淡路島旧津名町では、1億円分の金塊を展示しました。延べ370万人以上が訪れましたが、徐々に見物客が減少しておよそ20年で撤去されました。

 そして最近で言いますと、こちら石川県能登町では、全長13メートルのイカのモニュメント『イカキング』が設置されました。ただこちら費用2700万円かかったうちの大半が、コロナの交付金を使っていたということで、無駄遣いではないかと批判を浴びたました。

 ただこの無駄遣いと言われたこの事業たちその後意外な展開を迎えたんです。

 それがこちら、まず金塊の方ですと実はこの金塊レンタルだったので、返して換金した1億円で図書館を新設したりだとか、
市バスを金ピカにするなどそういう新たな事業を行いました

 そしてこちらのイカキング。この批判されたことが逆に宣伝効果につながりまして、経済効果が約6億円、宣伝効果も約18億円という結果になったんですね

 このような、過去の事例からも分かるように、一見無駄使いと思えることでも、プラスに転じる可能性があると。

 この今回の御杖村の件についても、今は今後どっちに転ぶか分からない状態なので、村側から奈良県産のヒノキを使ったなど、PRの仕方を考えるなどして、何がこの村にとってプラスになるのか、というのをこれから示していっていただきたいなと思います」

最終更新日:2025年2月14日 18:47
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