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【速報】結婚しているLGBT女性「性別変更認められるべき」非婚要件は「違憲」家事審判申し立て

2024年7月16日 14:31
【速報】結婚しているLGBT女性「性別変更認められるべき」非婚要件は「違憲」家事審判申し立て
申し立てを行ったトランスジェンダー女性とその妻

 京都府内に住むトランスジェンダーの女性が、戸籍や住民票など法律上の性別を変更する要件の中に「婚姻していないこと(非婚要件)」があることは憲法違反にあたり、「結婚していても性別の変更が認められるべき」だとして、16日、京都家庭裁判所に家事審判の申し立てを行いました。

 申し立て書などによりますと、京都府内に住む50代のトランスジェンダーの女性は、法律上の性別は男性で、男性として就職活動をするなどし、2015年に妻である女性と結婚しました。妻には交際前から「ときどき女性になる」などとカミングアウトしていましたが、結婚後に妻の説得もあり、女性ものの衣服を普段から着用したり、性別適合手術を受けたりするなどし、現在は女性として生活を送っています。

 法律では、性別を変更するための要件として、①18歳以上であること②現在結婚していないこと③未成年の子がいないこと④生殖機能がないこと⑤変更後の性別に似た性器部分の外観を持っていることの5つの要件が定められています。

 このうち、「④生殖機能がないこと」を求める要件については、2023年10月、最高裁が「憲法違反にあたり無効」だとする決定がなされています。

 これに対し、トランスジェンダーの女性とその妻は離婚することを希望しておらず、性別を変更するために離婚を強いられることは人権侵害で憲法違反にあたるなどと主張しています。

■妻は「離婚したくない」 2020年に最高裁で合憲判断も「世の中は変わっている」

 トランスジェンダーの女性は、妻や弁護団とともに申し立てを行った後、京都市内で午後2時半から会見を開き、「一番辛いのは『身分証明書を出せ』という場面で、言われるたびに後ろめたさを感じる。社会からのけものにされていると感じる」と自身が生きづらさを感じる現状を訴えました。

 また、会見に同席した妻は、「私自身は離婚したくない。事実婚のように一緒にいればいいという考え方はあるが、一緒にいた時間がなかったことになる。申し立てしなければいけない現実に腹が立ち、ひどいというのが心情です」と語りました。

 代理人弁護士によりますと、「非婚要件」を満たさないまま性別変更することを求める申し立ては、明らかになっている限りでは2件目です。前回のケースでは同性婚の状態が生じてしまうことから「混乱を生じかねさせない」として「合憲」の判断が2020年3月に最高裁で出されているということです。

 トランスジェンダーの女性は、「(1件目の)その人がだめだったから、私はだめと諦めてしまうのは簡単。世の中は変わってきている。今やるべきなんだろうと思った」と申し立てを行った理由を明かしました。

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