平野歩夢が“トリプルコーク”に手応え
スノーボード・ハーフパイプの北京五輪代表に内定した平野歩夢選手が23日、取材に応じました。
弟・海祝選手とともに出場したXゲーム(米・コロラド州)では歩夢選手が2位、海祝選手が3位と兄弟で表彰台に上がり「貴重な瞬間。今回のXはデカい」と、振り返りました。
五輪前最後の大会Xゲームで歩夢選手は3本目を終え2位につけました。
迎えた4本目、公式戦で世界初成功させたトリプルコーク1440(縦3回・横4回転)を今回は完璧に成功。現地実況は「簡単に決めた!冗談でしょ」と絶賛しました。
続くエアで失敗し優勝は逃しましたが、超大技の成功に「今までやってきた回数の中でも一番いいものが決められた。大会への気持ちだったり、出来るのか出来ないのかという不安、全てを吸収した上で出来たというのは、一つの技としてかなり大きいんじゃないかなと捉えられる完成度」と、手応えを語りました。
トリプルコークの難しさについては、「ハーフパイプの滞空時間でいうと同じスノーボーダーでも『あり得ない』と最初見たときにみんな思った。頭が3回入るので、高さ、踏み切り、回転スピードが大事になってくる。それがちょっとでも欠けたら、まだ例としてはないですけど、死につながる。紙一重の技」と、語る歩夢選手。
そんな“紙一重”の技に果敢に挑戦する裏には、東京五輪に出場したスケートボードとの二刀流挑戦が大きく影響していると言います。
「(東京五輪延期で)調整期間が短くなってしまって、自分も違うところで勝負しないとという、トリプルコークやその先、同じことしても間に合わないというのがあった。迷いなく元々思っていたことを順調に合わせられている」
「東京五輪を含めて、すごいチャレンジの4年間。限界はあると思うが、その限界に近づくとその先の景色が見えてきて、その先の気持ちに辿り着いた時、もっと色々なこと可能性だったり、チャレンジできるなっていう気持ちに気付けた。『どこまでもいけちゃうんじゃないか』というその自由さを、自分の場合は経験を経て感じた」と、自らに負荷を掛けることが更なる進化につながったことを明かしました。
そして、東京五輪から北京五輪までの半年間を「想定内を超していますね」と評価。
北京五輪に向け、「自分自身が敵としてやれた上で納得した滑りと、他の人を上回る圧倒的なものがあった上で頂点を狙い、その結果頂点になれたら」と、力強く意気込みを語りました。