【球団担当が注目】2023年DeNA 25年ぶりの優勝へ 実績十分の新戦力加入&侍ジャパン牧は更なる飛躍なるか
今季、"横浜頂戦"をスローガンに掲げ、三浦大輔監督のもとで1998年以来となる25年ぶりのセ・リーグ優勝を目指すDeNA。
現在、最後に優勝した年が最も遠ざかっている球団ですが、4半世紀ぶりの歓喜を叶えるためには3つのポイントが重要になってきそうです。
◆先発右腕がポイント メジャーCY賞投手&高卒2年目有望株
開幕投手の石田健大投手、侍ジャパンの今永昇太投手、濱口遥大投手、東克樹投手、現役ドラフトで新加入・笠原祥太郎投手といった左腕が名を連ねます。
一方、昨季11勝の大貫晋一投手に続く「右の先発投手」の台頭が課題となっています。今年はその先発陣に新たに割って入る2人の先発右腕が活躍するかもしれません。
まずは2020年メジャーリーグでサイ・ヤング賞を獲得し、3月に電撃入団したトレバー・バウアー投手。
最速159キロのストレートに加えて、変化球ではカットボール、スライダー、カーブ、シンカー、チェンジアップなど多彩な変化球も操るメジャー屈指の投手です。さらに今年はチェンジアップを改良した新球種″スプリットチェンジアップ″の習得にも取り組んでいます。
そんなバウアー投手は、「20奪三振、平均球速96マイル以上(約155キロ)を出したいが、一番大事なことは優勝を勝ち取ること。それが一番、私が目指したいこと」と優勝への熱い思いを入団会見で明かしました。
開幕1軍メンバーに名前はありませんでしたが、侍ジャパンのメンバーをはじめ、日本の好打者相手にどんな投球を見せるのか注目です。
もう1人が、プロ2年目・小園健太投手。2021年のドラフトで阪神との競合の末に入団。プロ1年目の昨季は身体作りを中心に過ごし、ファームで実戦3試合のみの登板でした。
一軍デビューを目指す今季はキャンプから一軍メンバー入りするとオープン戦まで一軍に帯同。そのオープン戦では4試合に登板し、1勝1敗で防御率は2.45の成績でした。
その中でも、目を引いたのは3月21日の巨人戦。プロ2度目の先発にもかかわらず、5回を投げて被安打3、無失点の好投。奪三振は0だったものの、15アウトのうち、フライアウトが11個とフライボールピッチャーとしての素質を見せました。
近年、佐々木朗希投手(ロッテ)や高橋宏斗投手(中日)などプロ野球界で台頭する"高卒2年目"の投手。今年、“高卒2年目”を迎える小園投手は「ある程度、一軍で投げられることを示していかないといけない年。今年は自分の中で凄く大事な年と思っています」とプロ初勝利、そして先輩投手たちのような“高卒2年目”での大ブレイクに期待がかかります。
◆激しいショートのレギュラー争い 実力者とフレッシュな新人が参戦
昨年はベテラン大和選手が65試合、2019年ドラフト1位の森敬斗選手が42試合、柴田竜拓選手が36試合にスタメン出場したショートのポジション。
今年はそこに新たな戦力が加わりました。中日からトレードで加入した京田陽太選手です。
京田選手は2017年に新人王を獲得するなど長く中日でショートのレギュラーを担ってきました。しかし、昨季は打撃不振もあり、43試合の出場にとどまっていました。
オープン戦では、本職であるショートに加えて、ファーストやサードでも出場するなど出場機会確保へあらゆるポジションをこなしています。
そんな京田選手は「応援してくださった(中日の)ファンやドラゴンズ時代にお世話になった方々に京田頑張ってるなって思ってもらえるように頑張りたい」とDeNAだけでなく“古巣の関係者やファンへの恩返しのため”という思いを持ちながら今季の活躍を誓っています。
さらにこの争いにドラフト3位ルーキーの林琢真選手も加わりそうな気配です。本職はセカンドですが、オープン戦ではショートやサード、さらには外野手としても出場しています。
そんな林選手はオープン戦でチームトップの4盗塁を決めるなどスピードを活かしたプレーが持ち味ですが、打率.296(リーグ3位)、16安打(リーグ3位)と打撃面でも大きくアピールすることに成功しました。
三浦監督は「いい準備をして打席に入っている。非常にいいものを見せてくれている」と林選手を高く評価しています。
自身の打撃について「その状況でできるベストなことをしようと打席では考えている。自分の欲とかではなく、その状況で一番ベストな事をしようという気持ちだけ」と打席で粘り強く食らいついていく姿勢について話してくれました。
新戦力が加わったショートで誰が今年レギュラーをつかむのか注目です。
◆【2023年版マシンガン打線】 首位打者経験者の1、2番コンビ&侍ジャパン牧が今季も打線の軸
侍ジャパン・牧秀悟選手を中心に佐野恵太選手、ソト選手、宮崎敏郎選手など強力な打者を中心に昨季チーム打率.251(リーグ2位)のDeNA。今年はその打線が更に強力になりそうです。
1番を務めることが予想されるのは2020年セ・リーグ首位打者の佐野選手。オープン戦では3月18日以降の全ての試合で“1番”でスタメン出場しています。
続く2番は2017年首位打者の宮崎選手。18日以降のオープン戦ではスタメン出場の場合、全て“2番”で出場しています。
リーグ屈指の安打製造機の2人が1・2番でチャンスメークすることで2度の本塁打王・ソト選手や昨季リーグ3位の得点圏打率.331を誇る牧選手の前にランナーを置いた状態で回って来る確率が高くなり、得点力の向上が見込めます。
また、今季も4番を打つことが予想される牧選手は「野球人生で経験した事のないプレッシャー」と話したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を経験したことにより、今季はさらなる飛躍が期待されます。
世界一を経験した後、チームに合流した牧選手は「代表で優勝を味わえてマウンドに集まった時にベイスターズでも優勝をして、みんなで分かち合いたいなと思った。去年2位で終わった悔しさもあるので今年は優勝します」と優勝への思いをより一層強くしているようでした。