退任表明 原辰徳監督「肩の荷がおりた」
プロ野球・巨人に数々の栄光をもたらした原辰徳監督(57)が19日、球団オーナーらに正式に退任の意思を伝えた。午後には都内で退任会見を行い、次のように述べた。
「この辺が潮時であり、チームにとっても新陳代謝をすること、そして新しい監督のもと、このチームを託すことの方が正しい選択である」「プレッシャーといいますか、肩の荷がおりたんだなと思いました。僕の野球人として最大の憧れであった長嶋さんの後に監督と。これが何にも代えがたい。私の中で大きなプレッシャーでした」「様々なことが起きましたけど、いいことも勝ったり負けたりもありましたけど、それを超えられる程のつらさは何もありません」「自分には夢の続きがあったと。それを全うすることができた。やり遂げることができたということには非常に満足しています」
17日、クライマックスシリーズでヤクルトに敗れ、今シーズンの戦いが終了すると、ファンに手を振ってグラウンドを後にした原監督。
2002年、長嶋茂雄監督の後を受けて就任した原監督は、2003年に一度退任した後2006年に再び復帰。通算12年で、7回のリーグ優勝、3回の日本一に導き、947勝712敗56分という成績を残した。
原監督といえば“熱い言葉”だ。「胸と胸を突き合わせた勝負をして勝ちたい」「度胸なくして男ではない」と、常に前向きな言葉でチームを鼓舞してきた。
時には大胆な采配もふるった。2002年、延長戦で代打を送る場面、ベンチには野手も残っていたが、代打に送ったのはピッチャーの桑田真澄投手だった。2009年には、延長戦に入って控えのキャッチャーがいなくなると、内野手の木村拓也選手をキャッチャーとして起用したこともあった。
巨人の監督在任期間としては、長嶋茂雄さんの15年、川上哲治さんの14年に次ぐ、歴代3位の長さ。巨人への愛情と情熱でチームを率いた12年だった。
注目される今後について、原監督は「あまりにも背負っていたものが大きかったんでしょうね。まずはゆっくり寝てゆっくり起きて。そういうことですかね」と述べた。