【関東インカレ10000m】箱根駅伝有力校の4年生が健闘 青山学院大の岸本大紀&順天堂大の伊豫田達弥
◇第101回関東学生陸上競技対校選手権大会(19日~22日、国立競技場)
5月19日、4日間にわたって開催される、通称関東インカレが開幕。初日には男子10000メートルが行われました。
■箱根連覇を狙う青学大のエース
男子2部には、今年の箱根駅伝を制した青山学院大学や、駒澤大学、東京国際大学、創価大学、國學院大学といった大学の選手たちが出場。
3月の日本学生ハーフを制した平林清澄選手(國學院大2年)と留学生のノア・キプリモ選手(日本薬大4年)が、交代しながら先頭を牽引しレースは進みました。
9000mを過ぎて、青山学院大のエース・岸本大紀選手(4年)、箱根に返り咲きを目指す上武大の留学生、カマウ・パトリック選手(1年)を含めた4人に、優勝争いが絞られます。
そして、ラスト1周、最初に仕掛けたのはパトリック選手でした。アウトレーンから一気に先頭を奪います。この仕掛けに、キプリモ選手と岸本選手は反応しますが、平林選手は付いていけません。
ラスト100メートルでキプリモ選手が再度トップを奪い返すと、28分28秒58で優勝を果たしました。「最終盤でしっかり勝負しようと思っていた」と言う岸本選手も食らいつき、0秒36差で2位に入りました。
岸本選手は、2年、3年で怪我に苦しみ、この大会に出場できませんでしたが、箱根連覇を目指す青山学院大のエースとして、ラストイヤーにきっちりと結果を残しました。
3位にパトリック選手、4位には後方集団から浮上した大川歩夢選手(東京経済大4年)が入りました。レースを引っ張った平林選手は6位。5位に入った主将の中西大翔選手と共に、國學院大勢としてダブル入賞を果たしました。
■箱根Vを狙う順大・伊豫田は「100点のレース」
男子1部はスローな出だしとなり、3000メートル過ぎからはピーター・カマウ選手(国士舘大2年)が集団を抜け出し、6000メートルの時点では2位以下に10秒の大差をつけました。
しかし、伊豫田達弥選手(順天堂大4年)、井川龍人選手(早稲田大4年)らが形成する2位集団も粘り、じわりじわりとカマウ選手との差を詰めると、9000メートル過ぎについにカマウ選手を吸収します。
勝負が決したのはラスト1周。鐘が鳴ったのと同時に、満を持して、伊豫田選手が鮮烈なスパートを炸裂させました。児玉悠輔選手(東洋大4年)や井川選手も食らいつこうとしますが、伊豫田選手は帽子を投げ捨て、さらにペースアップし、一気に突き放しました。
「大学で勝ち切るレースができていなかったので、結果は100点」と、納得のレース内容で優勝を飾りました。
「今季、チームは箱根駅伝総合優勝を目標に掲げています。結果を出すことでチームを引っ張るのが僕の役割。まず結果を出せたことで、箱根優勝に1ミリでも近付いたかなと思います」東京オリンピック男子3000メートル障害7位入賞の三浦龍司選手(3年)らとともに、2007年の第83回大会以来となる箱根駅伝優勝に向けて、チームを盛り立てます。
2位には井川選手が入りました。東洋大勢は、3位に児玉選手、6位に松山和希選手(3年)、7位に佐藤真優選手(3年)とトリプル入賞。明大も、4位に児玉真輝 (3年)、5位に富田峻平 (4年)と複数入賞を果たしました。