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【日本選手権10000m】駒澤大・田澤は10位。世界選手権代表に即内定とならず、代表争いは混沌(こんとん)

2022年5月8日 14:17
【日本選手権10000m】駒澤大・田澤は10位。世界選手権代表に即内定とならず、代表争いは混沌(こんとん)
10位田澤(左)・1位相澤(中央)・2位伊藤(右)(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
5月7日、日本陸上競技選手権大会・10000mが、国立競技場で開催されました。

男子は、箱根駅伝2区の日本人最高記録をもつ相澤晃選手(旭化成、東洋大学OB)が、学生時代からのライバル・伊藤達彦選手(Honda、東京国際大OB)らを破り、27分42秒85で2年ぶりの優勝を果たしました。

現役箱根ランナーでは、駒澤大学の大エース、田澤廉選手(4年)、井川龍人選手(早稲田大学4年)、中山雄太選手(日本薬科大学4年)が、日本最高峰の舞台に立ちました。

実業団勢を含めて唯一人、現時点で今夏の世界選手権オレゴン大会の参加資格を持っていたのが田澤選手でした。

世界選手権出場は、田澤選手にとっても悲願。日本代表即内定の条件は3位以内に入ることで、田澤選手は、昨年の東京オリンピック日本代表の相澤選手と伊藤選手の後ろに付いて、冷静にレースを進めているように見えました。

しかし、8000mを過ぎて、相澤選手が勝負を仕掛けると、田澤選手はそのペースに付いていけません。

「残り5周、相澤さんが上げたあたりから、余裕がなくなってしまいました。あそこで付いていかなければいけないと思っていましたが、体力が持たず落ちていってしまいました」

結局、順位を落とし、28分06秒34で10位に終わり、このレースで世界選手権出場を決めることができませんでした。

大学ラストイヤーの今季、初戦の金栗記念選抜陸上中長距離大会では、5000mで日本学生歴代8位(日本人学生歴代6位)となる13分22秒60の自己ベストをマークしています。しかし、この大会は万全な状態で迎えられませんでした。

「いつもは、試合が終わると少し休んでから練習をするんですけど、金栗記念の後は休まずに、すぐに練習をやってしまい、自分のサイクルを崩してしまった。大事な試合で力を発揮できず、自分の弱さが出てしまいました。悔しいですね。調整面で監督(の考え)と少しだけ違いがあった。(監督と)しっかりすり合わせていかないと、ミスが起きると分かったので、自分の体調などを共有した上で、今後は試合に臨んでいきたいです」

即内定を決めることができず、悔しさをのぞかせつつも、今後に向けた反省点を口にしていました。

しかしながら、上位3選手が世界選手権に出場するために必要な記録(参加標準記録、27分28秒00)を有効期間内に突破していないため、田澤選手にもまだチャンスが残されています。

代表内定の条件は日本選手権の順位が最優先されるので、田澤選手よりも上位だった9選手のうち3選手以上が6月26日までに参加標準記録を突破すれば、その選手が選ばれることになります。一方で、標準記録突破者が2選手以内だった場合には、田澤選手が日本代表に選考される可能性も出てきます。

6月22日には「~オレゴン2022世界選手権チャレンジレース~」と称し、ホクレン・ディスタンスチャレンジの20周年記念大会が開催されます。相澤選手らはこのレースで標準記録を狙いに行く予定です。日本選手権が終わっても、世界選手権の日本代表選考の行方からは目が離せません。

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