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【Moto2】最終戦決着で2位の小椋藍 「結果でみせなくちゃいけない」シーズンを振り返る

2022年11月11日 0:00
【Moto2】最終戦決着で2位の小椋藍 「結果でみせなくちゃいけない」シーズンを振り返る
3年ぶりの日本GPで今季3勝目を挙げた小椋藍選手(撮影/遠藤智)
◇2022年MotoGP第20戦バレンシアGP・Moto2決勝(4-6日、スペイン)

MotoGP2022年のシーズンが終了しました。日本のレースファンや、世界中のレースファンが注目したMoto2クラスの最終戦決着は、小椋藍選手の転倒でアウグスト・フェルナンデス選手のチャンピオンが決まりました。

小椋選手は今年2月のスペイン&ポルトガルテストでシーズンがスタート。11月のバレンシアGPまで全20戦という長い戦いでした。7月には、ほぼ一か月の夏休みこそありましたが、10か月間、心の底から気の休まる日はありませんでした。

その中でも印象深かったことが、最終戦でチャンピオンを獲得したアウグスト・フェルナンデス選手に3.5点のリードを許し迎えた第19戦マレーシアGPでトニー・アルボリーノ選手と優勝争いを繰り広げながら転倒リタイアに終わったことについて語ってくれた言葉でした。

小椋選手は「3.5点差のリードで2位に終われば、(5番手前後を走行していた)アウグストとの差は、開いても、きっと10点前後だったと思う。苦手なバレンシアGPで(バレンシアを得意とするフェルナンデスに)この点差で追われる立場で戦うのは厳しいと思ったし、だからマレーシアでは勝ちたかった。それが、今年のバレンシアは天候に恵まれてコンディションが良かったこともあるけど苦手意識を払拭できた。いいレース、いい走りが出来たし、やっぱり、マレーシアで(優勝を狙って)転んだのは間違いだったのかなと思いますね」と振り返りました。



思えば、マレーシアGPで転倒したときに小椋選手は、09年に250ccチャンピオンに輝いた青山博一監督に「青山さんなら、あの状況でどうしました?行きましたか?」と聞いていました。

もし転倒したマレーシアGPを2位で終えていた場合、10点以上のリードで最終戦のバレンシアGPに臨めていましたが、リタイアという結果になりました。

それでも小椋選手は、最終戦バレンシアGPの後、小椋選手らしい言葉で締めくくってくれました。

小椋選手に「全戦10%でやれた?成長できた?」と質問すると、「結果として(Moto3クラスにデビューした19年から)過去3年よりはちゃんと最後まで走れたと思う。でも、自分の成長に関しては、結果で見せなくちゃいけないですからね。今年はチャンピオン争いというわかりやすいところでやらかしてしまった」

グランプリにデビューして4年、小椋選手はこれまで何度も失敗してきました。その失敗から多くのことを学び、Moto3クラスとMoto2クラスで2度のチャンピオン争いに加わりました。そして「どうしてもチャンピオンになりたい」と、ホンダからオファーされたMotoGPクラスへのスイッチを断り、来季もMoto2クラスに参戦します。まさに小椋選手にとって来年は、自分の成長を「チャンピオンという結果で見せるシーズン」になります。

来年はどんな走りをみせ、そしてどんな言葉を残すのか?また、日本のレースファンを来年もまた、楽しませてくれるのか注目です。