◆北京五輪・大会9日目(2月12日)、スノーボード混合団体スノーボードクロス決勝

16年の時を経て、五輪の舞台で金メダルを手にしたリンジー・ジャコベリス選手(36･米国)。9日に行われた女子スノーボードクロスで優勝したジャコベリス選手は、2006年のトリノ五輪でゴール直前で金メダルを逃した苦い過去を持ちます。

2位と大きな差をつける独走状態でしたが、ゴール直前にグラブトリックを仕掛けるも着地に失敗し転倒。その間に2位の選手に抜かれ、ジャコベリス選手は銀メダルに終わりました。

あの“トリノ五輪の珍事件”以降、メダルが遠いジャコベリス選手。2010年バンクーバー五輪は5位、2014年ソチ五輪は7位、2018年平昌五輪は4位と、“金メダルの忘れ物”を取り戻すことは出来ませんでした。

迎えた2022年北京五輪。大けがも乗り越えたジャコベリス選手は5度目の五輪で女子スノーボードクロスで悲願の金メダルをつかみとりました。

2冠を狙って臨んだ12日の混合団体スノーボードクロスは、五輪の新種目です。1チーム2人編成で、ジャコベリス選手の米国が決勝戦に臨みました。

第1走の男子選手が先頭でフィニッシュ。メダルの色をかけた勝負の第2走者ジャコベリス選手ですが、スタートから少し出遅れます。途中3位争いをする選手らが接触し転倒する波乱の展開の中、先頭のイタリアを必死に追いかけます。すると最終コーナーの少し手前で見事なコーナーワークで抜き去るとそのまま1位でフィニッシュし、個人と合わせて2冠を達成させました。

さらに、フィニッシュ直前のジャコベリス選手の滑りをスローVTRでみると、解説者が「グラブしてますね」と指摘し、実況アナウンサーも「そこまで目が行きませんでした。ただ、今回は転倒しませんでした。もう転びません！」とコメント。

16年前にゴール直前で金メダルを逃した36歳が、個人と団体合わせて2つの金メダルを手にしました。今回、一緒に戦った男子のニック・バウムガートナー選手は40歳。36歳のジャコベリス選手との円熟のコンビが新種目で見事初代王者に輝きました

◆混合団体スノーボードクロス結果
金メダル　米国
銀メダル　イタリア
銅メダル　カナダ
4位　イタリア
※イタリアは2チーム決勝進出
※日本は棄権