【高校サッカー岡山全力応援】 心ひとつに全国の頂へ!「岡山学芸館」を応援したい5つのこと
1.会場に響く美しい音色
1960年創立の岡山学芸館。近年東京大学や京都大学などへの進学実績を残しつつ、部活動も盛んに行われています。
今年の夏の甲子園大会ベスト16の硬式野球部のほか、農業部や琉球三味線部などユニークな部もあります。特に吹奏楽部は全国屈指の実力を誇ります。今年10月に行われた全日本吹奏楽コンクールでは7大会連続10回目の金賞を受賞。サッカー部の試合でも会場に美しい音色が響き渡ります。
2.岡山の歴史を作った日本一
サッカー部は2大会前の101回大会で県勢初の全国制覇。西大寺で行われた優勝パレードには約3000人が集まりました。
高原良明監督(45)が就任した2008年当時は部員が20人に満たず、冬場は空き地で車のライトをつけて練習をしていました。高原監督は「周りの人たちから愛されるチーム」を目指し、あいさつ指導など基本から徹底しました。
現在は学校から車で15分ほどの瀬戸内市邑久町に、寮などが併設された専用グラウンドがあります。地元に愛され、環境面も充実。日本一の歴史を作る強豪校になりました。
3.岡山学芸館の時代は続く
11月に行われた選手権岡山大会決勝の相手は、4大会ぶり25回目の全国大会を目指した作陽学園。朝から大荒れの天気で1時間30分遅れのキックオフでした。
濡れたピッチに足を滑らせ、ボールをコントロールしきれない場面が目立つ前半、試合を動かしたのは作陽学園でした。前半24分、左サイドの岡慶太選手(2年)のクロスに大西卓磨選手(3年)が右足を合わせて先制。
後半はリズムが良くなった岡山学芸館。後半10分ロングスローの流れから相手のクリアボールを吉岡大和選手(1年)が頭で折り返し、太田修次郎選手(3年)のボレーシュートで同点。さらに後半14分、フリーキックのクリアボールを岡田拓也選手(3年)がペナルティエリア外から胸トラップをして素早く右足を振りぬき勝ち越しゴール。
作陽学園はGK工藤未来選手(3年)の再三のビッグセーブに攻撃面で応えたいところでしたが決めきれず。そのまま岡山学芸館が2-1で試合を制して4大会連続7回目の全国大会出場を決めました。
4.期待の1年生は『学芸館の未来』
地区大会全4試合でスタメン出場した岡山県出身の吉岡選手。1年生ながらボランチを主戦場に危機察知能力が高い選手です。
その吉岡選手は岡山学芸館清秀中学の出身。2021年に創部された清秀中学サッカー部の1期生です。中学時代に2大会前の全国制覇を国立競技場のスタンドで応援していました。当時を振り返りながら「かっこいい先輩たちをずっと見てきた。その先輩たちと同じユニフォームに袖を通したときに、競争の激しさと重みを知った」と話します。
前回大会優勝の青森山田など全国の強豪が中学年代の強化を図る中、岡山学芸館もそうしたチームに続くのか。岡山学芸館の未来を象徴する存在に注目です。
5.「真のエースへ」芽生えた自覚
今年の中心選手が背番号10番の太田選手です。選手権岡山大会4試合7ゴールの決定力にポストプレーが武器のエースストライカーです。以前は自分勝手なふるまいを指摘されることもありました。
しかし前回大会3回戦名古屋戦のPK戦で外したことや夏の県総体で準優勝という悔しさを味わったことで、チームのために動いて得点を取ることを意識しました。
岡山大会決勝で太田選手は試合終了のホイッスルを聞くと、地面に仰向けになり叫びながら涙を流しました。
太田選手は「この1年長く苦しい毎日だった。何をやってもうまくいかなかった。やっと報われた。今はサッカーが最高に楽しい」と話します。今ではピッチで誰よりも仲間を鼓舞する真のエースへ成長しました。
岡山学芸館の初戦は12月29日に行われる栃木代表矢板中央との1回戦。
相手は直近5大会で2回ベスト4進出を果たしている強豪校です。
2大会ぶりの全国の頂を目指して。
心ひとつに戦う姿は観ている子どもたちに夢を与えるでしょう。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/西日本放送)