×

田中将大復帰の楽天「優勝ある」岩隈氏

2021年2月2日 18:41
田中将大復帰の楽天「優勝ある」岩隈氏

楽天でエースとして活躍、メジャーリーグでもプレーし日米通算170勝の岩隈久志氏(39)が、楽天に復帰した田中将大投手(32)について、日本テレビの取材に応えました。

-田中投手が日本球界復帰ということになりました

岩隈「ものすごく大きな決断だと思うんですが、楽天にとってはすごく大きなニュースで最強の補強をしたと思います」

-田中投手のメジャーでの活躍をご覧になって

岩隈「メジャーの中でも認められた先発投手だと思いますし、メジャーの先発の中でも、TOP10ぐらいに入るような実力を持っている選手。ヤンキースという球団で、メディアの厳しさがあった中で成績を残してきた選手ですので、素晴らしいと思っています」

-田中投手がメジャー7年間ですごくなったところは

岩隈「日本の時よりも、コントロールを意識したピッチング、ボールをうまく動かしてメジャーの野球にフィットした。完投を目指して、強く思い切って投げるというより、考えて計算して投げているように見えました」

-日本にいた頃とは違う感じ

岩隈「若い時は力で勝負というふうに見えてました。日本で最後やっていた時は、ここぞという時に、しっかり力で封じ込めていました。メジャーに行ってからは、それにプラスしてボールをしっかり動かして、ゲームを支配していくようなピッチングスタイルでしたので、本当に素晴らしかったと思います」

-メジャーとのボールの違いやマウンドの硬さは影響しますか

岩隈「彼は簡単に修正できると思います。投げ方についても、しっかり左足を踏み込んで、沈み込むように投げるタイプのピッチャーなので、日本の軟らかいマウンドに対しても、下半身を使って投げられると思います。ボールに関してもすぐいい感覚がつかめて投げられると思っています」

-勝ち星はどれくらいになりますか

岩隈「二桁はチームとして求められると思いますけども、24勝のシーズンもありますから、彼は何を起こすかわからないというぐらいのものを持ってますから。本当に日本球界でもまた大活躍してほしいと思っています」

-田中投手が加わる楽天投手陣というのは

岩隈「すごく層は厚くなったと思います。特に先発ピッチャーはそろっていると思います。打倒ソフトバンクとして、いい争いのできるシーズンになるんじゃないかなと思います」

-先発投手陣としては涌井投手、岸投手、則本投手がいます

岩隈「ルーキーで早川投手も入りましたから、すごく面白いと思いますし戦力でみると楽天はかなり高いというふうに思います。他のチームにみても4人そろっているのはなかなかないので、楽天にとっては田中が入ってきたっていうのが最高の補強だと思っています」(通算勝利は田中投手177、涌井投手144、岸投手132、則本投手85と、4選手の通算勝利は合計538勝。※田中投手の通算勝利数は日米通算)

-気が早い話ですが今年のペナントレースは

岩隈「優勝はあり得ると僕は思います。おそらくたくさんの解説者の方も予想すると思います。田中が戻ってきたことで、予想を変える人も出てくるぐらいの大きな戦力補強だと思いますので、今年の楽天がすごく楽しみです」

-楽天がリーグ優勝争いしてくる

岩隈「シーズンが始まってみないとわからないですが、戦力をみたら楽天の戦力はすごく高い部分はあったので、そこに田中投手が戻ってきたということは、より強いチームになると思います。他にもロッテも強くなってきて伸び盛りの選手もたくさんいるので、本当にわからないですけども。ただ今年のプロ野球が楽しみな1年になるんじゃないかなと思います」

-田中投手を1年目から見てこられて、どんな投手ですか

岩隈「やっぱり一番は気持ちの強い選手。ルーキーで入ってきた年でも、すごく気迫のこもった、本当に気持ちでは絶対負けないという投手。実力と技術もしっかりパワーアップさせて、メジャーに行っても活躍しました。メンタル的な部分でも強い選手なので、そこが一番印象に残っています」

岩隈久志(いわくま・ひさし)
2000年に近鉄に入団後、05年に楽天に移籍、楽天の球団初戦の開幕投手を務める。12年にMLBシアトル・マリナーズに移籍後、2015年には日本人では野茂英雄氏以来、2人目のノーヒットノーランを達成。19年に巨人に移籍、20年に現役引退。日米通算170勝(日本107勝、MLB63勝)。07年から11年までの5シーズン、楽天で田中投手とチームメートとしてプレー。

写真:日刊スポーツ/アフロ
※写真は岩隈氏がマリナーズ、田中投手がヤンキース時代、先発投手として初めて直接対決した試合の前日練習の様子。翌日の試合では、岩隈氏が7回4失点、田中投手が7回3失点で田中投手に白星がついた。なお同一球団出身者の日本人が、メジャーリーグで先発投手として投げ合うのは史上初だった。(現地時間2016年4月17日 ヤンキースvsマリナーズ ヤンキー・スタジアム)