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箱根は史上最速決戦か 駒大・青学大が充実

2021年12月11日 0:11
箱根は史上最速決戦か 駒大・青学大が充実

来年1月2日、3日に開催される第98回東京箱根間往復大学駅伝競走のチームエントリーが10日に行われました。

全21チームが16人の選手をエントリーし、各チームの監督らがオンラインで会見を行いました。

◇充実の駒澤大&青学大 調子上向きの創価大◇

前回大会を制した駒澤大学は、大エースで主将を務める田澤廉選手(3年)ら中心選手が順当にエントリー。9月に右大腿骨を疲労骨折し、出雲駅伝、全日本大学駅伝を欠場した鈴木芽吹選手(2年)も無事にメンバーに入りました。

大八木弘明監督は「春までにスピードが付いていたので、夏から駅伝シーズンまではしっかり走り込みをしてきた。優勝、最低でも3位以内を目指したい」とチームの強化に手応えを口にしました。

エントリー選手の10000m上位10人の平均タイムは28分24秒85(各大学の主務発表による)と21チーム中トップで、前回大会以上の戦力を誇ります。

11月の全日本大学駅伝で、駒澤大学とのアンカー対決に敗れた青山学院大学も充実した顔ぶれとなりました。

10000m28分台は多くの大学生ランナーが目標に掲げる記録ですが、なんと16人全員を28分台ランナーでそろえました。

10000m上位10人の平均タイムは、駒澤大学に次ぐ28分29秒07。「誰一人ブレーキすることなく、普通に走れば王座奪還が見えてくると思う」と原晋監督は総合優勝へ自信をのぞかせます。

「キーマンは全員。走る10人だけでなく、部員全員で箱根駅伝に集中し、残り3週間頑張っていきたい」と総力戦で挑みます。

前回準優勝の創価大学は、そのメンバーの永井大育選手、小野寺勇樹選手(ともに4年)がエントリーメンバーから外れましたが、留学生のフィリップ・ムルワ選手(3年)、日本人エースの嶋津雄大選手(4年)、主将の三上雄太選手(4年)らが順当に名前を連ねました。

11月の競技会で好記録が続出し、チームの状態は上向き。10000m上位10人の平均タイム28分35秒81は全体4位で、躍進を遂げた前回から30秒も短縮しています。

◇オリンピアンら注目選手もメンバー入り◇

そのほか、今夏の東京オリンピックで男子3000m障害7位入賞した順天堂大学の三浦龍司選手(2年)も順当にエントリーされました。

昨年5000mの高校記録(当時)を樹立した東洋大学のスーパールーキー・石田洸介選手は、出雲駅伝、全日本大学駅伝に続き、三大駅伝全てで区間賞となるか、注目です。

また初出場の駿河台大学は、エースのジェームズ・ブヌカ選手(4年)のほか、中学校教師を休職し最初で最後の箱根駅伝に挑む31歳の今井隆生選手(4年)もエントリーされました。

徳本一善監督は「この1年は予選会を通ることだけに費やしてきた。失うものは何もない。面白いことさえできればいいのかなと思う」と初の箱根路に向けた意気込みを語りました。

29日には区間エントリーがあり、各区間を走る10人と補員6人を登録します(当日変更は、往路、復路各日4人まで、合わせて6人まで変更可能)。

◇有力校の監督が舌戦◇

会見の後には、毎年恒例の監督トークバトルが開催されました。前回2位の創価大学・榎木和貴監督、前回3位の東洋大・酒井俊幸監督、前回4位の青山学院大学・原監督、前回7位の順天堂大学・長門俊介監督、前回10位で10月の出雲駅伝を制した東京国際大・大志田秀次監督が出演しました。

原監督は、毎年恒例となっている作戦を発表し「今年は“パワフル大作戦”我々は力がある。パワーを持って、パワフルに箱根路を走りたい」とその意図を説明しました。

また、各監督が往路・復路・総合の目標順位を発表しました。回答は以下の通り(発表順)。

青山学院大学「往路:優勝 復路:優勝 総合:優勝」
順天堂大学「往路:3位 復路:3位 総合:3位」
創価大学「往路:1位 復路:3位 総合:3位以上」
東京国際大学「往路:3位以内 復路:流れ 総合:3位以内」
東洋大学「往路:優勝 復路:? 総合:3位」

榎木監督が往路優勝の目標を発表すると、「我々もアクセルを緩めませんよ」と、原監督がすぐさま牽制(けんせい)。榎木監督も負けじと「記録会等で(青山学院大に)胸を借りているので、勝負することが恩返しになると思っています」と応戦。監督トークバトルならではの舌戦が繰り広げられました。

各大学が充実の顔ぶれで臨み、史上最速決戦の予感が漂う第98回箱根駅伝は、来年1月2日・3日に行われます。