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【図解】五輪代表選考 群雄割拠レスリングは最速9月にパリ五輪内定

2023年6月14日 6:02
【図解】五輪代表選考 群雄割拠レスリングは最速9月にパリ五輪内定
左から文田健一郎選手、樋口黎選手、藤波朱理選手、須崎優衣選手
2024年夏に開幕を迎えるパリ五輪レスリング日本代表は21年の東京五輪で金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル1個を獲得し、パリ大会でもメダル量産が期待されています。

群雄割拠のレスリング・パリ五輪代表選考を図解で紹介します。
まずは最速でパリ五輪代表入りが決まるパターン。

国内2つの選考会などで23年9月に行われる世界選手権代表が決まり、その世界選手権でメダルを獲得した選手がパリ五輪代表に内定します。

例えば、女子53キロ級の藤波朱理選手はすでに22年12月の全日本選手権大会(天皇杯)で優勝しているため、23年6月全日本選抜選手権(明治杯)で優勝すれば、9月にセルビアで開催される世界選手権に出場できます。

その世界選手権でメダルを獲得すれば(3位以内に入れば)、“選手本人”がパリ五輪への切符を手に入れることができます。

この世界選手権でメダルを獲得できなかった場合でも、5位に入れば“日本”の出場枠を獲得できます。枠獲得に貢献した選手が23年12月の天皇杯で優勝すればパリ五輪内定、敗れた場合はその天皇杯優勝者とプレーオフを行い、勝者が五輪の切符を勝ち取ることになります。

世界選手権で6位以下だった場合は日本代表としての出場枠が獲得できていないため、12月天皇杯で優勝し、さらにアジアオリンピック予選、もしくは世界オリンピック予選で2位以内に入ることが必須条件となってきます。

■女子注目は―東京五輪無失点で金・須崎優衣&公式戦119連勝・藤波朱理

パリ五輪の注目。まずは国内での混戦が予想される女子フリースタイル。レスリング協会の赤石光生強化本部長は「世界選手権で全部の階級で3位以内に入ってくる可能性が高く、緊張感は高い」と太鼓判を押すほどの実力者ぞろいです。

21年東京五輪では、全試合で無失点かつ、テクニカルフォール勝ちを決め、金メダルを獲得した、50キロ級の須崎優衣選手。2022年から社会人となって練習環境が変わり、「プロとしてレスリングをやっていることへの自覚がさらに強くなった」と話しました。リオ五輪で吉田沙保里さんを破ったヘレン・マルーリス選手とアメリカで練習するなど、より一層磨き上げたレスリングに注目です。

女子53キロ級・19歳の藤波朱理選手は23年4月のアジア選手権で優勝し、公式戦連勝記録を「119」に伸ばし、吉田沙保里さんの記録に並びました。長い手足を生かし、得意の高速タックルで相手をいなしながら攻撃をしかけるプレースタイルでパリ五輪に向け、さらに連勝記録更新を狙います。

■男子注目は―リオ銀・樋口黎&“反り投げ”が得意な文田健一郎

男子選手にもパリ五輪出場を狙う有力選手が多くいます。

男子フリースタイル57キロ級・リオ五輪銀メダルの樋口黎選手。22年は61キロ級でアジア選手権、明治杯、世界選手権で優勝、57キロ級でも天皇杯で優勝し、ここまで負けがありません。「パリまで無敗で駆け抜けて行ければ」と話していました。
男子グレコローマンスタイル60キロ級で東京五輪銀メダルの文田健一郎選手。柔軟な体を生かし、上半身のみで戦うグレコローマンスタイルならではの「反り投げ」を得意としています。世界選手権代表の選考大会となる6月の明治杯は、ハムストリング肉離れのため大事をとって欠場。22年の天皇杯で優勝しているため、7月のプレーオフで世界選手権の出場権獲得を目指します。

<今後の主な大会>

明治杯全日本選抜選手権大会(東京体育館):6月15日(木)~18日(日)
世界選手権(セルビア・ベオグラード):9月16日(土)~24日(日)
天皇杯全日本選手権(代々木第二体育館):12月21日(木)~24日(日)
パリ五輪:2024年8月5日(月)~11日(日)