×

「メジャーにいない」川上憲伸が語る山本由伸の“伝家の宝刀” 日本シリーズでの緩急生かした投球術を絶賛

2023年12月24日 8:10
「メジャーにいない」川上憲伸が語る山本由伸の“伝家の宝刀” 日本シリーズでの緩急生かした投球術を絶賛
日本シリーズで好投したオリックス・山本由伸投手(写真:時事)
MLBロサンゼルス・ドジャースとの契約合意が伝えられているプロ野球オリックス山本由伸投手。

史上初の3年連続投手四冠(最優秀防御率・最多勝・最高勝率・最多奪三振)に輝いた山本投手のすごさについて、メジャーリーグでも活躍した野球解説者の川上憲伸さんが23日、日本テレビ「Going!Sports&News」で解説しました。

中日で活躍した川上さんはルーキーイヤーの98年に14勝を挙げ新人王に輝くと、04年に17勝をあげ沢村賞を獲得。その後、アトランタ・ブレーブスでもプレーし日米通算125勝を挙げました。

同じ右腕の川上さんは、メジャーで武器となる山本投手の球種について「メジャーは少し変化する球は(打者が)捉えてくる可能性がある。そういう意味で、緩急で考えるとカーブですね。いろいろな変化球を持ちながらも、カーブがある投手はメジャーにそんなにいない」と“伝家の宝刀”でもある、大きく曲がるカーブだと断言。

また川上さんは、今年の日本シリーズ第6戦で阪神相手に勝利を収めた山本投手が、カーブを効果的に使ったシーンを絶賛します。

4点リードの9回1アウト1塁、打席に代打・渡邉諒選手を迎えた場面。ここで山本投手は初球に126キロのカーブを選択します。

「(バッターは)代打できたらまずはストレートを待ちたい。速い球にまず合わせたいなかで一番遅い変化球を持ってこられるのは…。『カーブでストライク取られたか』ってなります」

初球で1ストライクを奪った山本投手が続けて投げたのが、145キロのフォーク。渡邉選手は手を出しますが空振りになります。

「カーブを意識させることによって、ストレートに見えてストンと落ちるフォークはファウルにすらできないと思う」

2球で追い込んだ山本投手は3球目で148キロのフォークを選択。渡邉選手は手が出ず、見逃し三振となりました。

川上さんは「カーブがなければいいところに決まったフォークもファウルにされたり、バットに合わされる可能性があると思うが、あのカーブがあるとなかなか捉えきれないのかなという感じがする。最終的には得意のフォークやストレートで空振りや三振を取ってはいるが、カーブがポイントになってくるのかなと思う」と、カーブの効果を解説します。

「カーブでストライクをそろえられる、コントロールミスをしないピッチャー」そう山本投手を形容した川上さん。予想通り、来シーズン山本投手はカーブを武器にメジャーリーガーたちを翻弄することができるのでしょうか。