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「谷間」と言われ続けた反骨心と団結心「アテネ五輪戦士」那須大亮からパリ世代に伝えたいこと <パリの主役は君たちだ!>

2024年3月20日 16:16
「谷間」と言われ続けた反骨心と団結心「アテネ五輪戦士」那須大亮からパリ世代に伝えたいこと <パリの主役は君たちだ!>
サッカー・アテネ五輪日本代表(写真:アフロスポーツ)
4、5月にパリ五輪アジア最終予選を控え、サッカーU-23日本代表は22日に京都でマリとの強化試合に臨みます。

本大会ではキャプテンも務めたアテネ五輪日本代表DF那須大亮さんに、「黄金世代」を中心としたシドニー五輪代表と比較され、「谷間の世代」と言われ続けた当時の思いと、フル代表経験者や海外組がそろい金メダルを目指すパリ世代の選手たちに伝えたい思いを伺いました。

■「黄金世代」と比べられ「谷間」と言われ続けたアテネ世代「苦しみを共有した分、団結心は強かった」

中田英寿さん、中村俊輔さんらフル代表経験者に加え、稲本潤一さん、高原直泰さんら「黄金世代」で構成された2000年シドニー五輪代表と比べて、2004年アテネ五輪世代は田中マルクス闘莉王さんや大久保嘉人さんをはじめ個性が強い選手がそろっていたものの、当時フル代表入りする選手は少なく、アジア予選から苦しい戦いを強いられました。「メダルの色」に意識はなく、目の前の試合を乗り切ることにフォーカスしていたそうです。

那須「2歳上の世代にはゴールデンエージと言われる輝かしい選手たちがいた一方で、アテネ世代は、個性はありながらも、谷間の世代と言われ続けてきました。苦しい時間をともにしてきた分、多くの苦しみを共有した分、反骨心や団結心が強かったです。自分たちが何で乗り越えてきたのかを認識できていて、チームに対する思い、団結することの大切さを色濃く感じている世代だと思います」

■崖っぷちのチームを救った当時のキャプテン鈴木啓太さんの行動「Mr.Children『終わりなき旅』の歌詞をボードに掲げた」

負ければ五輪出場権を失う可能性があったアジア最終予選のUAEとの最終戦。その試合の前に、MF鈴木啓太さんの取った行動が、当時のチームの象徴的な出来事だったと那須さんは振り返ります。

那須「予選のキャプテンを務めていた鈴木啓太が、Mr.Childrenの『終わりなき旅』の歌詞の一部を切り取ったメッセージをホテルのフロアのボードに掲げました。チームに対して犠牲を払える選手が多かったアテネ世代を象徴する出来事で、責任感やいろいろなものを感じながら発信してくれたことは、とても印象深かったです」

この最終戦で、那須さんの先制点を含む3得点でUAEに勝利し、アテネ五輪の出場権を獲得しました。

■「国を背負う重さ、国際舞台の重さを知ったアテネ五輪」那須大亮からパリ世代に伝えたい思い

アテネ五輪本大会の初戦、パラグアイに3対4で敗戦し、続くイタリアにも敗れて、早々にグループリーグ敗退が決定しました。

特に、自身のミスが失点に繋がり前半のみで交代したパラグアイ戦は那須さんにとって大きな試練となったそうです。国を背負う重さを実感した那須さんだからこそ、パリ五輪世代の選手たちに伝えたい思いがあります。

那須「プロサッカー人生の中でも、あれほど追い込まれた瞬間はなかったです。国を背負う重さ、国際舞台の重さを実感しました。苦くもありましたが、経験としては大きなものを得ることが出来ました。ピルロやジラルディーノといった、後にイタリア代表を背負う選手たちと対戦できたことは大きな財産です。パリ世代は、松木玖生選手(FC東京)、鈴木唯人選手(デンマーク/ブレンビー)など、個として期待感が大きくて、ポテンシャルは非常に大きなものがあります。国際舞台、五輪の舞台でチームとして何を残せるかが今後に繋がってきます。もう1ランク成長すれば、替えのきかない選手になると思いますし、未来への可能性を多く秘めているチームだと思っています」

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