【赤星解説】阪神後半戦のキーマンはこの人!赤星注目の選手とは・・・
――開幕9連敗した阪神は、借金を最大16抱えるも7月24日に完済。まず、その要因は。
これは鉄壁の投手陣ですよ。先発も頑張ってますし、中継ぎも浜地・湯浅・岩崎という、ある程度勝ちパターンを作りましたよね。これはすごく大きいと思いますし、いま勝ってるピッチャーだけでなく他のピッチャーの防御率も、みんないいんですよね。(15日時点のチーム防御率は、2.55でセ・リーグ1位。失点もリーグ最少)
1点ビハインドとかで登板するピッチャーも、若い子たちもみんないいんですよ。投手力でこのチームは支えられてるようなものです。
先発も青柳を中心に伊藤という柱がいて、そこに西(勇)がいて。だからある程度先発で、ゲームを作れる。ガンケルもいいですね。投手力に関しては、完全にセ・リーグの中で抜けてると思うんですよね。だからここまで上がってこられたと思います。
前半は打線が全くかみ合わなくて、調子の悪い選手も非常に多かったので、いくらピッチャーが頑張って抑えても、点が取れないで負けるっていうパターンがすごい多かったんですよ。
――野手は。
大山について言えば、チームの編成上サードやったりファーストやったりと、ちょっとかわいそうな面もあるんですけど、その中で今(ヤクルト)村上の次にホームランと打点が多いのは大山ですね。それはすごいなと思います。(15日時点で、大山選手のホームラン数は22本。巨人・丸選手と並びセ・リーグ2位。打点も71で、リーグ2位)
――キーマンは。
近本選手。打撃の貢献度だけでなく、守備での貢献度も年々高まってます。うまくなってるし、見てて安心なんですよね。
僕も現役のときにピッチャーに言ってもらってすごくうれしかったんですけど、「困ったら僕(赤星)の所に打たすから」みたいなこと言ってくれたんですよ。多分、近本も今そういう存在だと思うんです。
打つ方のイメージがあるかもしれないですけど、(近本選手が)投手陣の防御率をよくしてる。近本の守備力で救った試合も結構あるので。守りでチームを救うシーンはかなり増えてますね。
あと、島田が入ってることで、外野の守備力は上がってますよね。大山・近本・島田って、結構守備力高いんですよね。大山は、あまり経験ないですけどうまいですし肩も強いですから。
※大山選手・近本選手は新型コロナ感染のため離脱中。
――赤星さんから見ても、近本選手の守備はすごい。
もちろん、もっともっと上のレベルを目指してもらわなくてはいけない。
ただ、前後の打球に対して弱かったけど、今もう後ろの打球ってめちゃくちゃ強いんです。
後ろの打球への強さは、この1・2年でかなり進化してて、両サイドと後方に守備範囲が相当広いですよね。打って抜けたと思うやつが簡単に追いつかれてるとか、こういう感覚に他のチームのバッターは陥ってるんじゃないかな。
――大山選手も守備位置が変わったりしたが問題ないか
問題ないどころか、よう頑張ってますよ。ちゃんと守ってますしね。レフトで試合に出てたことも過去にあって、全く経験してないわけじゃないんで。ちゃんと守れてますし、全然合格点は与えられるんじゃないですか。
あと、タイガースの強みは、どこからでも機動力を使えるということですね。スタメンのメンバーだけじゃなく、熊谷・植田のスペシャリスト2人が代走要員にいる。今年、熊谷で何回勝ったかって話ですよ。タイガースは、本当は今年優勝争いできるようなピースがそろってるはずなんですけど、まさかの最初つまずきがあったんでね。
ここで挙げた近本選手・大山選手・熊谷選手が新型コロナで離脱したのは痛いのですが、今後またどのチームがコロナの影響を受けるかも分からないです。一日も早い復帰を願うと共に、島田選手や若い選手にとってはチャンスなので、離脱した選手の分まで頑張って食らいついていってほしいですね。
阪神の貯金数推移
最大借金16からV字回復し、前半戦終了時には借金を完済。後半戦に入り、貯金を最大3まで増やしました。現在は、新型コロナ感染で主力選手が離脱するなどして6連敗中で、セ・リーグ4位。16日から、首位ヤクルトとの3連戦が行われます。