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なぜ三笘薫は速いのか?特徴は「初めの10m」陸上界のレジェンド・朝原宣治が分析

2023年4月17日 16:34
なぜ三笘薫は速いのか?特徴は「初めの10m」陸上界のレジェンド・朝原宣治が分析
三笘薫選手(写真:アフロ)
今季イングランド・プレミアリーグで7得点を挙げ、日本人最多得点記録を更新した三笘薫選手。

活躍を支えるのは圧倒的なスピードですが、なぜ三笘選手は“速いのか”。日本短距離界のレジェンドで、北京五輪4×100mリレーの銀メダリスト・朝原宣治さんに走りのメカニズムを解説してもらいました。

朝原さんは「三笘選手はすごく走りに興味を示していると思う。筑波大学の谷川聡という指導者がいて、陸上の指導は入っていると思う」と語ります。

■短距離選手『つま先接地』 三笘選手『かかと接地』

三笘選手の走りの特徴について「特に初めの10m、初速が出ているのでそこはすごい」と話した朝原さん。

しかし、走り方は陸上競技の選手とは大きな違いがあると言います。

朝原「短距離選手は、スタートから加速するところまではフォアフット、つま先で接地しています」

朝原「三笘選手はべた足というかフラット、もしくは『かかと寄りの接地』をしている」

スピードを追求する陸上短距離選手の走り方は、地面に接する際、つま先から接地。細かいピッチで加速し、推進力を生んでいます。

一方、三笘選手は主にかかとから接地します。

この走り方で初速を生み出せるワケについて「三笘選手は大きなストライドで一気に加速している。足先でちょこちょこ走るのではなくて、体幹から大きな力を発揮してストライドを出している。股関節を大きく動かせるということが、初速が出やすいということですが、三笘選手はお尻・背中・内転筋を使いながらグイッと前に飛び出すことができる。初めの10~20mはそれで押して速いスピードが出せている」と解説しました。

日々のトレーニングで鍛え抜いた肉体を利用し、股関節を大きく動かして、広いストライドで一気に加速できているといいます。

■『かかと接地』はドリブルにも有効

さらに『かかと接地』で走ることは、三笘選手の武器であるドリブルにも生かされていると分析。

朝原「つま先接地で重心が高い状態だと、速いスピードから絶対に止まれない。三笘選手は接地がかかとよりになっている。(ドリブルで)大きく出たとしても方向転換をしないといけないため、常に踏ん張れるような接地の仕方をしている。すごいスピードで走ってきても、ピタっと止まったり、すぐに方向転換できるような体の使い方をしている」

こうした三笘選手の走り方に、朝原さんは「探究心がある選手。スピードに関してすごく熱心に研究されていると思う」と話しました。

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