【高校サッカー全力新聞】富山第一 10大会ぶりの全国制覇へ 国立を再び紫に染める「THIS IS TOMIICHI」
■他の部活やOBなど、互いに切磋琢磨し成長
富山第一高校の校訓は「剛健・練体磨心」。体だけではなく、心も強く健やかに鍛えることを教育目的に掲げ、サッカーだけではなくラグビーや女子バレーボールなど、多くの部活動が全国大会へ進みます。
卒業生には、今年の夏、沖縄で開催されたワールドカップで活躍したバスケットボール男子日本代表の馬場雄大(ばば・ゆうだい)選手も名を連ね、部活動の垣根を超えて、互いに切磋琢磨しています。
■自主性の尊重
今年から新体制・加納靖典監督のもと、取り組んだのは 「チーム練習のオフを増やすこと」。週1日のオフを週2日に増やしました。その狙いは「自ら考える力を養うこと」・「選手の個性を伸ばすこと」・「サッカー以外の時間も大切にすること」とし、毎週水曜日を「自主練をする、休養をとる、勉強をする」など選手自らが判断し、自由に過ごせる時間を意図的に作っています。
スタッフ陣もオフを取り、家族サービスの時間などに充てていて、その日はOBなど外部コーチが指導に訪れ、ポジションごとのトレーニングなどを実施。試合で活躍するために何が必要か、チーム練習ではできない自分の武器を伸ばすことに専念する時間を設けることで、個の力を伸ばし、チームへ還元することを目指しています。
■国立を再び紫一色に染める
県大会決勝後の勝利インタビューでキャプテンの多賀滉人選手は「富山を再び紫に染めたい」と宣言しました。10大会前の旧国立で行われた決勝戦では、普段は人通りの多い富山駅前から人が消えたといわれるほど、多くの県民がスタジアムで、あるいはテレビの前で紫のタオルを片手に富山第一イレブンへ声援を送りました。再び富山を紫に染め、新たな国立競技場に「THIS IS TOMIICHI」は響き渡るのか。富山第一の躍進に注目です。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/北日本放送)