【箱根駅伝】日本大学4年ぶりの箱根路への思い "ニチダイシンジダイ" を掲げる名門のチーム改革
■変革をもたらした新雅弘監督
日本大学は、箱根駅伝出場歴代3位の89回、総合優勝も歴代3位の12回を誇る名門校です。第16回大会で初の総合優勝を果たすと、その後も箱根路に栄光を刻んできました。しかし、第97回大会からは、3年連続予選会で敗退。ここ数年は、涙を飲んでいました。
また、新監督は選手と一緒に寮暮らし。新監督のチームの強化は、選手を知ることから始まっています。ともに生活し、近くで選手の状態を見極めました。
エースの西村翔太もその変化を実感。「今の新監督みたいにすごく自分たちの面倒を見てくれる指導者が自分たちの周りにいなかったので、結構メニューが各自に任されていて、きつくなったところで妥協をしている人たちがちらほらいた印象です。新監督の指導になってから、そういうのがなくなって、みんな地道に距離を踏んでいこうと意識が変わっていった」と話します。
距離の積み重ねが成果となったのは、10月の第100回箱根駅伝予選会です。留学生のキップケメイ選手が個人トップでフィニッシュ。西村選手もチーム内2位、個人56位に入りタイムを稼ぐと、あとに続く選手たちが着実に集団走で走り抜きました。結果は第5位で予選通過し、4年ぶりの箱根路が決定。
4年生の駅伝主将・下尾悠真選手は「この3年間悔しい思いをしてきたので、やっと報われたという気持ちで涙が出た」と人目をはばからず涙。西村選手は「通過することだけを目標にしてやっていたので・・・」と言葉をつまらせ、「通過できてよかったです」と目頭が熱くなりました。
■新時代への第一歩
4年ぶりの箱根路に挑む名門、日本大学。第100回大会で掲げるテーマは「ニチダイシンジダイ」です。
下尾選手は「今までずっと古豪と言われていたので、古豪ではないぞと。『ニチダイシンジダイ』というテーマで取り組んでいるので、新しい日大を見せられたらなと思っています」と、テーマに込めた思いを語ります。
予選会チーム3位の記録を残した2年生、鈴木孔士選手は「小学校のときの卒業文集に『日大で5区を走って区間賞をとる』という目標を書いていたので、山の神になるということを達成したいと思います」と決意表明。
エースの西村選手は「これからにつながることが一番大切だと思うので、まずは母校の襷を最後までつなげていくことが一番の目標。他大学のエースに負けないような走りをして、区間一桁を目指して走りたい」と、各選手その言葉に自信をみなぎらせます。
チームを本選に導いた新監督は「この100回大会に走れるということは、選手も私も幸せだと思いますし、選手が私を箱根に連れて行ってくれたと感謝しています。とにかく繰り上げスタートにならないように、といつも言っています。繰り上げスタートにならなければ100点満点です」と目標は謙虚。
今大会メンバー全員が初めての箱根路となる第100回大会。まさに日本大学、新時代の幕開け、その一歩を踏み出します。