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亡き母へ誓う 広島ドラ3の滝田一希投手 小さな町から初のプロ野球選手が誕生 北海道

2024年1月1日 10:00
亡き母へ誓う 広島ドラ3の滝田一希投手 小さな町から初のプロ野球選手が誕生 北海道

ことしのプロ野球で活躍が期待されます。

北海道黒松内町から初のプロ野球選手が誕生しました。

ドラフトで指名された若き選手が夢の舞台への切符を手にするまでには、亡き母への思いやきょうだいからの多大な支えがありました。

広島からドラフト3位指名 困難乗り越えプロの道へ

ソースの香りと太麺が特徴。

広島のソウルフード・お好み焼き。

(滝田一希投手)「おいしいです!」

この味を楽しむのはー

(滝田一希投手)「星槎道都大学から来ました、滝田一希です」

去年10月のドラフト会議で、広島東洋カープから3位指名された滝田一希投手22歳。

黒松内町出身としては初めてのプロ野球選手となりました。

最速153キロの直球にー

鋭く落ちる変化球。

道内ナンバーワン左投手としてプロの切符をつかみました。

その裏には困難を乗り越え、運命の瞬間を一緒に待つ家族の姿がありました。

母親が応援 野球センスを買われ大学進学

6人きょうだいの5番目で生まれた滝田投手。

母・美智子さんが女手ひとつで育ててきました。

(滝田一希投手)「小さい頃は、高校までは毎日のように怒られて迷惑をかけていた」

2人の兄の影響で始めた野球。

高校では全道大会に出場したことがありませんでしたが、野球センスを買われ道内の強豪・星槎道都大学から声がかかりました。

しかし、滝田投手には複雑な気持ちがー

(滝田一希投手)「野球でまたお金がかかってしまうので、それが高校の時よりも数十倍かかるので、ごめんなさいと心の中で思っていた」

それでも“野球を続けたい”滝田投手の強い思いを応援してくれたのが、母・美智子さんでした。

母への恩返しを胸に練習に励み過ごしている中…

おととしの5月のことでした。

(滝田一希投手)「急に姉から電話がかかってきて、母さんが倒れたと聞いて」

「母親が倒れた」52歳の若さで急逝

無事を祈る思いで病院に向かう道中、母へ送ったメッセージが…

「お母さん頑張って。絶対プロ野球行って幸せにするから。頑張って頑張って」

しかし、その思いは届かず…

52歳の若さで息を引き取りました。

(滝田一希投手)「自分が母と会うまではわからない。ただ眠っいてるだけだろうなと、心にしまいながら地元に戻って。見た瞬間は本当…かける言葉もなくてずっと悔しいとかそういう感情が芽生えましたね。涙も止まらなかったし」

支えてくれていた母がいなくなり、一時は野球を辞めることも考えました。

(滝田一希投手)「監督が『プロに行って契約金で立派な墓を建てろ』と言っていただいたので、それからはずっとプロに行くことを最大の目標にして」

姉が“母親代わり”となって献身的にサポート


滝田投手の“母親代わり”となって献身的にサポートしてきたのは、姉・美里さんと優衣さんでした。

(二女 優衣さん)「体が細いので昔から『食べなさい』と言われていたので『オムライスが食べたい』と言っていて1個2個では足りないので5個も6個も(ご飯を)5合分を平気で食べちゃう」

去年の春のリーグ戦。

自身最速の153キロをマーク!

きょうだいの支えもあり、滝田投手はチームのエースとして成長を遂げました。


そして、学生生活最後の登板!

バックネット裏には6球団のスカウト。

そして、お姉さんの姿も!

この日の最速は150キロ。

8回途中2失点と最後のアピールをしました。

登板を終えると…

大学最後の登板 「母の味」オムライスを贈る

(長女 美里さん)「4年間お疲れ様でした!」

(二女 優衣さん)「お疲れ様でした。」

(滝田一希投手)「弁当ですね。オムライスですね」

(二女 優衣さん)「手作り。ねーちゃんの手作り」

(滝田一希投手)「オムライス大好物です」

滝田投手の大好物・母親仕込みの「オムライス」でサプライズです。

(二女 優衣さん)「この量だと足りないんだろうなと。足りないでしょ?」

(滝田一希投手)「自分ひとりではできないことがいろいろあったので、いろいろと支えてもらってここまで来られた」

運命のドラフト会議 母親とともに見守る

そして迎えたドラフト当日。

滝田投手のそばには母・美智子さんの写真が。

ともに指名の瞬間を見守ります。

そして…

札幌では、きょうだい3人が見守りました。

(アナウンス)「滝田一希投手」

(二女 優衣さん)「よかった」

(長女 美里さん)「安心した!」

(二女 優衣さん)「オムライス何合分食べたいか聞きます!何個食べたいか聞いて作れるだけ作ります」

広島が3位指名「苦しい思いが報われた1日」

夢の舞台を手につかんだ滝田投手。

指名後の会見では安堵の表情を浮かべ、目を赤く染めていました。

(滝田一希投手)「呼ばれた瞬間は(母から)『おめでとう』と聞こえるぐらい自分の心に響いてました。自分だけじゃないですし、きょうだいも苦しい思いをしてきましたし、そこが一番みんなで報われた1日でした」

ドラフト指名から翌月。

滝田投手が向かったのは、ふるさとの黒松内町。

母・美智子さんに改めて報告しました。

(滝田一希投手)「ありがとうと感謝の気持ちを伝えにきました」

黒松内町から初のプロ野球選手が誕生

初めてのプロ野球選手の誕生に沸く黒松内では、滝田投手の快挙を祝う多くの人が集まりました。

(黒松内町民)「黒松内に夢と希望を与えてくれました」

先月、広島で開かれたカープの新入団会見。

(滝田一希投手)「ここまで成長させていただいた母をはじめ、きょうだいもそうですし、すごく感謝しています。これから1軍で活躍することが少しずつ恩返しになっていくのかなと思うので頑張りたい」

「家族に感謝」1軍で活躍し恩返しを誓う

会場にはきょうだい全員が駆けつけ、晴れ姿を見守りました

(二女 優衣さん)「もちろん応援もしますし、あとは支えてくださいと言いたいです(笑)」

(長女 美里さん)「北海道まで良い知らせが届くように、とにかく活躍してほしい」

(滝田一希投手)「チームの勝利に貢献できるように頑張ります。応援よろしくお願いします」

亡き母そしてきょうだいへの感謝を胸に、プロへの道を歩み始めます。

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