【皇后杯・決勝】アルビレディース 悲願の初タイトルへ激闘 PK戦で敗れ準優勝 《新潟》
女子サッカー。アルビレックス新潟レディースは1月25日、初のタイトルを懸け皇后杯の決勝に臨みました。新潟一筋のあの選手に“タイトル”を…チームは特別な思いを持って激闘を戦い抜きました。
1月25日、広島県で行われた皇后杯決勝。新潟からも多くのサポーターが駆けつけました。
〈新潟サポーター〉
「女子サッカーの中でもきょう勝てば歴史を塗り替えるんじゃないかなとそんなイメージを持っていますのでしっかり頑張ってほしいです。新潟にタイトルを!おー!」
8大会ぶり5度目となる決勝の舞台。クラブ史上初のタイトルをかけた大一番です。対するのは強豪・浦和。シルバーコレクターの名を返上し、今度こそ日本一の称号を勝ち取ろうと試合に臨みました。
■前半
試合の序盤は昨シーズンのリーグ女王・浦和に押される時間が続きます。そんな中、相手のカウンターから失点。1点を追う展開となります。新潟の反撃は前半28分、川村のパスからエース滝川!ドリブルで相手をかわして値千金の同点ゴール!試合を振り出しに戻します。
■後半
エンドが変わった後半はなかなか試合は動かず…ここでピッチに投入されたのが、新潟一筋19年…「新潟の象徴」ともいえる上尾野辺でした。
新潟の選手たちはこの試合でどうしても勝ちたい理由がありました。それは過去4回、皇后杯決勝で涙をのんできた上尾野辺とともにタイトルをとりたいということ。新潟で7年間ともにプレーする守護神・平尾は…
〈平尾知佳選手〉
「やっぱり一番は上尾野辺選手にタイトルをとらせてあげたいという気持ちはチームみんなが思っていることです」
小学生のころからの幼なじみ、キャプテン・川澄も…
〈川澄奈穂美選手〉
「個人的にはやっぱりめぐ(上尾野辺選手)にタイトルとってもらいたいなという思いがすごく強い」
すると…後半43分。幼馴染の2人が連係をみせます。川澄のフリーキックから上尾野辺がシュート!初のタイトルに向けチャンスを作りますが勝ち越しゴールとはなりません。試合は延長戦へ。
■延長戦
延長後半、サイドバック有吉のパスに川澄!狙いすまして足を振りますがこれはわずかに枠の右へ…決めきることができません。
結局、試合はPKで決することに…。2人目まで互いに成功し、迎えた新潟の3人目。横山のシュートは相手キーパーに阻まれてしまいます。4本目は互いに決め、迎えた勝負の5本目。キッカーは背番号10・上尾野辺。5度目の決勝の舞台に立ったベテランがきっちりと決めます。そして止めれば優勝の可能性が残る浦和の5人目。最後はキーパー平尾選手がボールに触れるも止めることはできず、新潟は皇后杯で5度目の準優勝となりました。
〈アルビレックス新潟レディース 平尾知佳選手〉
「めぐさん(上尾野辺選手)のためにタイトルをとってあげたいということは想いながらやっていたので本当にめぐさんの涙をみたら本当になんか悔しい気持ちが悔しいしか出てこないですけど、とってあげたかったなというのはあります」
〈アルビレックス新潟レディース 川澄奈穂美選手〉
「悔しいというその一言に尽きると思う。でもここまでみんなで戦えたことは誇りに思います。年齢的にもあとどれだけこういったチャンスがあるのかわからないがポジティブにとらえて引退が延びたなと思って本当にタイトルをとるまではなんとかしぶとくやっていきたい。一緒に走り続けていけたらと思 います」
〈アルビレックス新潟レディース 上尾野辺めぐみ選手〉
「ただただ悔しいっていう、また(タイトルを)とれずという思いが…。自分としては新潟のみなさんにタイトルを届けたい思いがあるのでそこはまたすみませんっていう。きょうこうやって負けてしまって本当にタイトルって難しいものだなと改めて感じましたし、だからこそやっぱり一度タイトルをとりたいっていう気持ちがさらに高まりました」
特別な思いを持ちタイトルにあと1歩まで迫ったアルビレディース。この経験を糧に3月に再開するリーグ戦でのリベンジを誓います。