「社会人になってもバスケがしたい」チーム存続の危機を乗り越え 2年連続全国大会出場 山梨
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山梨県社会人バスケットボール連盟に所属する「TEAM CERAMICS(チーム セラミックス)」。関東ブロック予選を突破し、全日本社会人選手権に2年連続で出場しました。一時は部員不足に陥り、チーム存続の危機を迎えたこともありましたが、「いつまでもバスケがしたい」との思いで幅広い世代が集結。メンバーは家庭や仕事とともに、競技にも全力を尽くします。
とある平日の夜。仕事を終えたメンバーが、笛吹市の中学校の体育館に集まります。
CERAMICSは2024年、全日本社会人選手権に初出場して以来、2年連続で県代表として全国の舞台に立ちました。
メンバーの職業は自営業、高校教諭、理学療法士など多岐に。年齢層も10代から30代後半までと幅広いものの、「セラミックス」のように固い絆で戦います。
世代の差はあっても、チームの雰囲気は部活動を思わせる明るいノリ。
松嶋健介選手(23歳・大学院生)
「バスケで楽しむことができている。(年齢が)結構上の先輩が多いが、仲良くコミュニケーションをたくさん取っている」
加藤悠弥選手(25歳・介護職)
「同じポジションにうまい先輩がたくさんいて、その人たちに負けないようにバスケを頑張っていく。個人的なトレーニングをどんどん続けて食らいついていきたい」
2011年のチーム結成から世代交代が進み、現在は言わば「第2世代」のメンバーが中心。
それでも、チームをまとめるのは今も結成時のメンバー。発足時から代表を務める矢崎勇人さん(37)と、ヘッドコーチも務める小林寛樹さん(37)です。
小林ヘッドコーチ(教育公務員)
「みんなやってきたバスケットがその時代で違うので、そこをチームとして合わせるのが難しかったが、個々のやってきたバスケットを生かせるような戦術を数年かけて作ってきた」
■「社会人になってもバスケがしたい」
CERAMICSは、中学教員の矢崎代表が24歳のとき「社会人になってもバスケを続けたい」との思いで創設されたチーム。
しかし、メンバーが30歳を迎えた頃、危機を迎えました。
矢崎代表(中学教諭)
「結成から5、6年たって、30歳を境に競技から離れていく同級生が多くて…。感染症の拡大もあってなかなか集まれず、みんな気持ちも離れていってしまった。人数がどんどん減っていった」
そんな窮地を救ったのは、社会人になった矢崎代表の教え子たち。恩師の誘いを受け、続々とチームに加入しました。
すると、新生CERAMICSは21年、全日本社会人選手権の県予選で初優勝。
以来、県予選は4連覇中で、23年度と24年度は関東ブロック予選を突破。全国のコートに立つまでに成長しました。
矢崎代表
「(全国大会出場を)昨年度決めたときは本当に夢のような思い。全国大会のコートを踏んだときは、言葉にならないような思いだった」
今年度の全日本社会人選手権は8日に開幕。CERAMICSは2度目の全国の舞台でしたが、前回王者を前に初戦で敗退しました。
全国初勝利こそ挙げられなかったものの、充実感を手にしました。
小林ヘッドコーチ
「もちろん勝利を目指してやっていくが、チームのみんなが楽しくバスケットをできるようなチーム作りを今後も意識していきたい」
Q.この仲間でのバスケットは楽しい?
小林ヘッドコーチ
「最高ですね」
社会人として、仕事や家庭とのバランスに悩まされることも多く、事情もメンバーによってさまざま。
それでも「いつまでもバスケを続けたい」という思いが絆となり、メンバーを固く結びます。
矢崎代表
「全国に出ることが目標になっている。全国で勝つことを目標に、もっと激しくハードに練習していきたい」
Q.バスケは楽しい?
矢崎代表
「いや、もうやめられないですね」
矢崎代表、小林ヘッドコーチはシニアのカテゴリーとなる40歳までは若い選手に食らいつき、「全国1勝」を挙げたいと闘志を燃やします。
また、矢崎代表は午前中は子どもの生活発表会に出席し、その足で関東大会に途中から参加するために会場の千葉県へ向かったことも。取材では家族への感謝の思いも話してくれました。
(「YBSスポーツ&ニュース 山梨スピリッツ」2025年2月16日放送)