「小さなチーム」の飛躍 アマチュア最高峰で連覇を目指す 山梨中央銀行女子バレーボール部
創部43年を迎える実業団チーム、山梨中央銀行女子バレーボール部。アマチュア最高峰の全国大会で2連覇を狙います。新たな司令塔でさらなる成長を目指す姿を取材しました。
■「小さなチーム」でも格上を次々と撃破
かつて9人制バレーの強豪として国民体育大会(国体)を2度制したチームは、2024年の国民スポーツ大会(国スポ)で並み居る格上を次々と撃破。6人制移行後、チーム最高成績の3位入賞を果たしました。
辻知恵監督
「ちょっと出来過ぎかなというところがあるが、最高目標にしていた国スポなので、結果が出せてよかった」
国スポの前身の国体を含め、3位入賞は県勢2度目の快挙。そんな山梨中央銀行ですが、身長170cmを超えるレフトはわずか1人。
強豪を打ち破るために「小さなチーム」が大事にしてきたことは―。
姫野来実主将
「1本目のレシーブと2本目のつなぎ。粘りとつなぎを重点を置いて練習しているので、そこが一番の強み」
強みを伸ばすため、辻知恵監督がチームに課してきたのは圧倒的な練習量。
辻監督
「チャンスを質よく持ってこないと。上げればOKじゃないから、そういうこだわりを持って!」
コートに響く辻監督の声。生命線となるレシーブと、それに続くトスやカバーリングの精度を高めるため、日々のトレーニングから徹底的に追い込んできました。
辻監督
「プロのSVリーグやVリーグのチームより厳しくやっている。SVのチームに勝つ、国スポで勝つことを目標にしているので『これだけ練習しているんだから負けない』という気持ちを常に持ち続けることが選手の成長につながる」
姫野主将
「(練習は)きつい(笑)。でも楽なことばかりやっていても勝てない。結果を残せるように頑張っている」
■「迷わず思い切りプレー」成長遂げる新司令塔
粘りとつなぎで手にした国スポ3位。自信と誇りを胸に、25日に開幕した全国6人制リーグ総合男女優勝大会の女子決勝リーグで連覇を目指しますが、チームには大きな変化が―。
正セッターだった遠藤さやか選手が昨年末に退部。チームの躍進を支えた司令塔を失う中、後継者として白羽の矢が立ったのが、高卒4年目で甲府市出身の岩間響選手(22)。
岩間選手
「国スポ3位という、いい成績を残す中でプレッシャーに感じる部分もあるが、もうやらなければいけない。とにかく迷わず思い切りプレーしようと心掛けている」
岩間選手は帝京第三高の主将として春高バレーを経験。身長169cmの大型セッターとして期待されてきましたが、実業団での公式戦の経験はまだわずか。
それでも2004年のアテネ五輪日本代表セッターの辻監督から指導を受け、着実に成長してきました。
岩間選手
「知恵さん(辻監督)からトスを教えてもらうのは貴重。その教えを一つも無駄にせずに自分のものにしたい。トスを上げるだけではなく、前衛ではしっかり攻撃に加わって、得点できるようなセッターになりたい」
■同期入部のコンビネーションも
正セッターとしての初陣を控える岩間選手をスパイクで支えるのが中村好花選手(26)。
辻監督の指導で飛躍を遂げ、攻撃の要となったミドルブロッカーは、入部4年目同士のコンビネーションで活躍を誓います。
中村選手
「エル(岩間選手)が成長するためには自分が成長しなければいけない。自分が成長するためには岩間選手にしっかりトスを上げてもらわないといけない。そこは私がリードしてコミュニケーションを取りながら、先に自分がスパイクに入ってリードしていけるように声掛けしていきたい」
岩間選手
「きついときやしんどいときにノアさん(中村選手)から声を掛けていただく。(トスを)持ってきてという声も掛けてもらうので、トスを集めていきたい」
■地元開催の大一番へ 声援を力に連覇を
全国6人制リーグ総合男女優勝大会は今回初めて、山梨で決勝戦を実施。地元の声援を力に、県出身選手が司令塔としてチームを連覇に導きます。
辻監督
「優勝、2連覇は最低限。いろんなカテゴリーの方に応援していただいているので、頑張っている姿を見ていただきたい」
岩間選手
「小中学生に憧れてもらえるようなプレーをして、自分の中でもしっかりやり切れるようにし、最後はしっかりいい形で勝ち切って優勝を目指して頑張りたい」
全国6人制リーグ総合男女優勝大会は25日に開幕し、連覇を目指す山梨中央銀行は女子東部リーグ東京大会で三菱UFJ銀行、「GOLD STARS八王子」にいずれもストレート勝ちを収め、2連勝。絶好のスタートを切りました。
2月1、2の両日に行われる山梨大会でも勝利が期待されます。
(「YBSスポーツ&ニュース 山梨スピリッツ」2025年1月26日放送)