「築き上げたバレーを完成させて最後の春高に」「楽しむ気持ちも忘れず」山梨代表校 夢舞台へ闘志
■3年前の全国覇者 日本航空
23年連続23回目出場の男子・日本航空。3年前に日本一となった先輩に続けとばかりに、練習に力を込めます。
チームをまとめるのはエースでもある鷹野天佑主将(3年)。
鷹野主将
「(日本航空は)サーブキャッチから真ん中のクイックを通して、ディグからのブレイクはサイドで切っていくチーム」
素早いクイックやサイド攻撃など多彩な攻め方が注目される日本航空ですが、そうした攻撃の始まりは正確なレセプションやディグ、つまりレシーブから。
10月の県予選決勝でも質の高いディグやレセプションでセッター清武大智選手(2年)に返し、さまざまな攻撃パターンへとつなげました。
鷹野主将
「(日本航空は)1本目を大切にしているチーム。チャンスボールやフライングの練習、ディグやスパイクレシーブの練習に力を入れている」
レセプションやディグはチームの生命線。全国大会に向け、レシーブ力にさらに磨きをかけます。
エースは3年生の鷹野主将ですが、今年度の日本航空の主力の多くは2年生。
前嶋巽選手(2年)は、3年前の優勝時の主将・悠仁さんを兄に持つ、期待のプレーヤーです。
前嶋選手
「この1年間、自分以外のスパイカーが入りやすいように、サーブレシーブの確率や質を上げて、チームの攻撃が通りやすいようにすることを意識してきた。サーブレシーブを一番見てほしい」
チーム一丸で取り組んできたレシーブで、再び頂点へ。
前嶋選手
「3年生とできる最後の大会。自分が攻守で安定感を見せて3年生がいい形で終われるようにできたらいい」
鷹野主将
「自分たちが1年間築き上げてきたバレーを完成させて最後の春高を迎えたい」
■独創的ツーセッター 帝京第三
女子代表・帝京第三は、粘りの「つなぐバレー」で2年連続5度目の春高に挑みます。
チームを引っ張るのはエースの水上千紗乃主将(3年)です。
水上主将
「私たちのチームは2セッターポジション。粘りのバレーを軸に頑張っている。速攻など複雑なものがないので、しっかりセッターに返ったときに、センター・レフト・ライトに(相手に)分かりづらいトスを上げてスパイクで打ち切るのが主流」
帝京第三は創部以来、セッターを2人置くツーセッター制を採用。唐澤凛選手(3年)、小野美空選手(3年)の両セッターがそろってコートに。
アタックラインを境にトスを上げる役割を分けるもので、アタッカーへ良い形でトスを供給する確率を上げるため、独創的なツーセッター制を取り入れています。
そんな帝京第三には課題も。
水上主将
「出だしで相手に行かれてしまうところがあったので…」
試合のペースをつかむのに苦しむ場面も。県予選決勝でも、第1セットは序盤からリードを許し、20対22の劣勢からかろうじて逆転に成功しました。
水上主将
「出だしが悪いのは、集中力の問題。練習中に最後まで集中できるように、当たり前のことをしっかり取り組めるようにしている」
全国の強豪に比べれば、絶対的なスパイカーがいるとは言えませんが、ミスを減らすこと、そして攻撃の幅を持つことで勝機を見出します。
そのためには、水上主将のポジションと逆側、ライトに立つアウトサイドヒッター小笠原夏美選手(3年)の活躍がキーポイントです。
小笠原選手
「困ったときはレフト頼みになる。レフトに上げられないときやふいにライトに振ったときなど(トスが)回ってくる回数は多くないが、上がってきた一本を大事にして、絶対に決めてやるという思いで(打つ)。ただ打つだけではなく、ブロックを利用し、変化を持ったプレーで頑張りたい」
伝統のツーセッターとつなぐバレーで、目指すのは春高初勝利。そしてベスト8です。
水上主将
「あとはもうやるだけ。不安はもちろんあるが楽しむ気持ちも忘れずにいきたい」
■両校ともに1回戦から登場
2021年度王者の男子・日本航空は、1回戦で島根代表の松江工業(4年連続23回目)と対戦。初戦を突破すれば、2回戦で宮城代表の東北(3年連続33回目)と激突します。
2年連続5回目出場の女子・帝京第三は、1回戦で広島代表・進徳女子(4年連続13回目)に挑みます。勝てば熊本代表・熊本信愛女学院(4年連続36回目)との2回戦を迎えます。
1回戦は開幕日の2025年1月5日に実施。2回戦は翌6日に行われます。
(「YBSスポーツ&ニュース 山梨スピリッツ」2024年12月8日放送)