「一緒に高め合える存在」山梨県勢初!男女で全日本選抜へ 切磋琢磨の笛吹高ソフトテニス部
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「女子は良きライバル」「絶対に男子に負けない」―。1月の関東高校選抜大会団体戦で男女ともに好成績を収め、3月の全日本高校選抜大会の出場を決めた笛吹高ソフトテニス部。全日本選抜のアベック出場は山梨県勢初となります。男女合同の練習で互いに高め合う部員たちを取材しました。
■経験値が高い男子 精神面の強さで勝負
男子は単独校として初出場。現在のチームは経験値の高さが光ります。
藤原奏主将
「自分たちは1年生のときから試合に出させてもらっているので、大きな舞台でも自分たちのプレーが出せるのが強み。技術で負けていてもメンタル面や勢いで負けない自信はある」
男子のエースは藤原奏主将(2年)。抜群の勝負勘を持ったポイントゲッターが、チームに流れを引き寄せます。
藤原主将
「持ち味は落ち着いてプレーができるところ。レシーブで強気に攻めて、次のボールも自分で決めにいくプレーが得意。強い相手にもしっかりがむしゃらなプレーで向かっていきたい」
■県勢女子出場は18年ぶり 「元気は絶対負けない」
女子は初出場。一体感を武器に、県勢女子として18年ぶりの大舞台へ挑みます。
荒川真桃媛(まとい)主将
「(関東大会は)みんな元気よく笛吹らしくプレーして(全日本出場の)結果を残せたのでよかった。試合での元気のよさは(他チームに)絶対負けない。一つの目標にみんなが進んで練習から取り組む、すごくいいチーム」
チームを引っ張るのは荒川真桃媛主将(2年)。正確なプレーと粘り強さが魅力です。
荒川主将
「自分は強いボールを打って決めるよりも、粘って粘って相手のミス待ちのテニスをする。最後まで諦めないことを大切に、挑戦できるテニスにしたい」
荒川主将とともに活躍が期待されるのは、パワーとテンポの良さが持ち味の河西陽愛(ひより)選手(2年)。
1学年上の姉で元主将の穂果さん(3年)の背中を追いかけ、チームの主力へと成長しました。
河西陽愛選手
「中学時代は県大会1回戦で負けてしまうような選手だった。(姉は)自分にはできないプレーがたくさんあって憧れている。(卒部後も)たくさん練習に来てくれるので支えになっている。(全国大会では)最後まで走り抜いて(姉に)勝ち切る姿を見せたい」
■伝統 "数的不利"のトレーニング
全日本選抜は室内で行われ、団体戦は2対2の3本勝負。屋外よりもボールが跳ねるため、ラリーが続きやすいのが特徴です。
床の摩擦を利用し、バウンドで急激に軌道が変化するカットサーブも効果的。相手との駆け引きも重要です。
米山隆監督
「(重要なことの)一番は粘りとタイミング。早いタイミングで攻める。じっくり粘る。その切り替え速度を速くする。逆にもう1つは時間を大きく与え、相手に考えさせる。この点をうまく融合させて結果を出そうと思っている」
その粘り強さを鍛えるのが、1人に対して3人が対戦相手を務める「1対3練習」。数的不利な状況でボールを打ち返します。
統合前の旧石和高時代から続く伝統のトレーニングです。
米山監督
「3人に対してボールが決まれば、相手2人に対して確実に決まる。最後の決め球をどうやって自分で打っていくか」
藤原主将
「相手の方が有利な状況でやるので、相手に負けないというメンタル面や体力面も鍛えられる」
さらに笛吹高は、男女一緒に練習することを大切にしています。競い合うことで、互いの成長へとつなげてきました。
全日本選抜アベック出場は、これまで切磋琢磨してきた証です。
藤原主将
「女子のボールもすごく見ていて参考になる。アベック出場はすごく誇りに思う。(女子は)一緒に高め合える存在」
荒川主将
「男子が盛り上げてくれるので、練習の雰囲気がよくなる。初のアベック出場を自分たちの代で達成できてすごくよかった」
ともに高め合い、新たな歴史を切り開いた笛吹高。全日本選抜は、仲間との絆を胸に上位を目指します。
荒川主将
「一試合でも多く勝って、ベスト8以上に入れるように頑張りたい。男子に負けないように頑張りたい」
藤原主将
「ベスト16を目指していて、それに向かって勢いのあるプレーを出したい」
Q .女子はベスト8と言っていたが?
藤原主将
「本当ですか?じゃあベスト8で(笑)…負けられない」
笛吹高の女子部員はわずか7人。今後、団体戦に出場できなくなる可能性もあります。荒川主将は「初心者でも必ず強くなれるので、新入生がたくさん入部してほしい」と話していました。入部希望者が増えるためにも、全国の舞台での活躍が期待されます。
全日本選抜は和歌山県で3月28日に開幕。初戦では男子が大同大大同(愛知)と、女子は嬉野(佐賀)と対戦します。
(「YBSスポーツ&ニュース 山梨スピリッツ」2025年2月23日放送)