「民謡に親しんで」藤原美幸さん 歌手生活33年目の新たな挑戦 伴奏はあの楽器
民謡王国と呼ばれる秋田は、祭りや祝い事など暮らしの様々な場面で民謡が歌い継がれ、いまでも1000曲以上あるとされています。
昭和の時代にはお茶の間の娯楽として、秋田放送でも素人参加型の民謡番組や、プロの歌い手がその歌声を競う『秋田県民謡紅白歌合戦』など、多くの番組が放送されていました。
時代は移り変わり、娯楽の多様化などで民謡になじみのない人も増える中、多くの人に民謡に親しんでもらおうと様々な取り組みをしているのが、民謡歌手の藤原美幸さんです。
その藤原さんが新たな挑戦に取り組んだライブに密着しました。
10日日曜日。
数時間後に迫ったライブに向けて最終のリハーサルに臨んでいた、民謡歌手の藤原美幸さん。
今回のライブで伴奏をするのは、アコースティックギター。
民謡歌手生活33年目の初めての挑戦です。
藤原美幸さん
「こういう音楽もあるんだとか、いろいろと経験させてもらったり、出会いを頂いて何かここでひとつワンステップ何かやりたい」
「いろいろ経験したからこそできるいまのステージじゃないかな」
母親の影響で、幼い頃に民謡を始め、県内で開かれる民謡全国大会すべてを制覇するなど、第一線で活躍してきた藤原さん。
15歳で民謡歌手としてデビューしてからは、ラジオ番組のパーソナリティーを務めたり、県内の様々なイベントでその歌声を披露したりするだけでなく、時代に合わせた秋田民謡の普及と伝承にも取り組んでいます。
藤原さんの地元・秋田市の土崎地区にあるライブ会場は、約160人の観客で埋まりました。
まず披露したのは、秋田の代表的な民謡で独特の節回しが特徴的な、生保内節です。
ライブ終盤。
曲の合間に藤原さんが語りだしたのは、3年前に亡くなった母親との思い出でした。
藤原さん
「民謡を始めるきっかけはやっぱり母親。実は今日は母親の命日なんです。その母がよく歌っていた歌が思い出が深い歌というと、ひでこ節。母はいつも目をつぶって、耳を押さえて歌っていました。いまでも目をつぶると母がそんな風に歌っていたな、そんなことを思い出します」
民謡歌手生活33年目の新たな挑戦。
来年は県内2か所でギター演奏による民謡ライブを開催するなど、定期的に披露することを目指しています。
藤原さん
「もっと民謡もたくさんの人たちにいろんな形で聞いてもらって」
「民謡王国秋田なので、もっともっと民謡を身近に聞いてもらえるようなライブ活動を本当にしていきたいなって、改めて今日感じました」