県の伝統的工芸品に「本荘こけし」を指定
県は、由利本荘市の旧本荘地区で100年以上作られてきたこけし、「本荘こけし」を県の伝統的工芸品に指定し、県の内外に、価値や魅力を広く普及していくことになりました。
本荘こけしの作り手は一時1人だけとなっていましたが、近年、新たな作り手が加わり、伝統の継承に力を入れています。
明治時代から由利本荘市の旧・本荘市で作り続けられてきた、本荘こけし。国内のこけしの一大産地、宮城県・鳴子市でつくられてきたこけしがルーツです。
近年は外国人観光客から人気を集めているほか、全国のこけしを集めているこけしファンからの評価も高まっているといい、オークションで、2万円の値がつくものもあります。
県は18日、100年以上の伝統を持つこの本荘こけしを県の伝統的工芸品に指定しました。伝統的工芸品への指定は、工芸品の歴史や価値を将来に伝えていこうと県が行ってきた取り組みで、佐竹知事が、作り手の1人である菅原修さん71歳に県の指定を受けたことを示す証明書を手渡しました。
100年以上の歴史を持つ本荘こけしですが、一時、作り手が菅原さんただ1人となったこともありました。そうした中、数年前からこけしづくりを志す人たちが続々と菅原さんに弟子入りし、現在、30代から60代の3人が、技術の習得を続けています。
本荘こけしを作り続け37年目となる菅原さん。後継者の育成をしながら、本荘こけしの魅力の発信にもさらに力を入れる考えです。
県は、伝統的工芸品への指定に伴い、県の内外で行われる工芸品の展示会などを通じて、本荘こけしの歴史や作品の魅力の発信を後押しすることにしています。