地元で挑む“クローン計画” 80本から4本だけ…そのうちの1本を「みんなで桜を守っていければ…」 樹齢1500年の淡墨桜を残す 岐阜・本巣市
岐阜県本巣市にある「淡墨桜」。4月上旬に満開となり、ほのかな白色の花が咲き誇る様子が見られました。
取材した15日は散りはじめ、葉桜となっていますが、樹齢1500年以上の壮大な姿をみなさん思い思いに眺めます。
その淡墨桜の少し離れたところに、もう1本、柵によって厳重に管理されている小さな木にも桜が咲いていました。
淡墨桜を守り広げる会 三本木隆さん:
「これは“根尾谷淡墨桜”のクローン。いわゆる接ぎ木になるのですが系統保存木と呼んでいます」
接ぎ木で同じDNAを持った淡墨桜。どうやってこのようになったかというと…。
淡墨桜を守り広げる会 三本木さん:
「折れて捨てる枝葉で、もしかしたら苗木ができるのではと試しに作った。成功するとは思わなかった」
でもなぜ、クローンを作ったのでしょうか。理由は、7年前の台風でした。
2018年9月。猛烈な風を伴った台風が淡墨桜を襲い、直径30センチほどの大きな枝など複数本が折れてしまいました。
その時の枝など80本を地元保存会のメンバーが接ぎ木。順調に育ったのはわずか4本だけという厳しい道のりでしたが、去年、そのうちの1本が淡墨桜のクローンとして公園内に植樹され大切に保存されているのです。
長年見守ってきた樹木医も期待しています。
樹木医 大平猛司さん:
「これだけ大きな木になってくると、年間の成長量、枝の伸びる量が少ないので1回折れると回復するのに時間がかかる。同じ系統のすごく生命力が強い、淡墨桜を継ぐものが、これから長く残って、人を楽しませてくれることは意味がある」
「桜のクローン」と聞くと驚く方も多いかもしれませんが、珍しいことではありません。
岐阜県美濃市にある森林研究所には、約30品種の桜があります。
その中には…。
岐阜県森林研究所 茂木靖和さん:「これが淡墨桜です 根尾の…」
「接ぎ木」でできた研究所の淡墨桜は、約30年前に植えたもの。