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「見ず」「触らず」駆除できるゴキブリ対策の新兵器 学校の授業で高校生が開発

2024年3月19日 15:45
「見ず」「触らず」駆除できるゴキブリ対策の新兵器 学校の授業で高校生が開発
高校生が開発した捕獲機

黒くて素早い、あの嫌われ者に、高校生4人組が立ち向かいました。

苦手だからこそ生まれたアイデア 実物を使った実験では悲鳴も…!

一昨年から全国の高校で「総合的な探究の時間」という新しい科目がスタートしました。その授業で、岐阜聖徳学園高校の4人組が、ある研究をして注目を集めています。それは、ゴキブリ捕獲器の開発。

ポイントは、ゴキブリを見ずに捕獲できること。捕獲器全体をゴキブリにかぶせ、さらに取っ手を押して奥へと追い詰め、逃げられないようにします。姿を見ず、触らず、距離をとって対処できるのが特徴です。

というのも、ほとんどのメンバーが、ゴキブリが大の苦手なのです。

開発メンバーの金神伶旺さんは「お恥ずかしいことに(ゴキブリが)ダメです。速いじゃないですか、動き。びっくりしちゃって逃げます」と、かなり苦手な様子。河村友果さんも「見ただけで父を呼んで早く(退治して)っていうぐらい逃げ回る。自分一人でなんとかできる道具はあったほうがいいなって」と開発のきっかけを話します。

いくつも試作品を作って捕獲器は完成したものの、試練が待ち受けていました。本物のゴキブリを使っての実験です。ゴキブリが苦手だと話していた金神さんは、悲鳴を上げながらも、なんとかゴキブリに立ち向かいます。

しかし、あらたな問題が発生。実験に必要なゴキブリの数が足りなくなってしまったのです。そこで、校内に「ゴキブリ募集」のポスターを貼ると、先生たちが次々と協力してくれました。

何百回と実験を行い、データを集め、改良を加えた結果、市販品と比べても遜色ない捕獲器が完成しました。

コンテストでファイナリストに進出! 果たして入賞なるか…!?

東京で、世の中の困りごとを生徒自身が見つけ、解決策を探究する「中高生探究コンテスト」が行われました。応募総数1857の中からファイナルに進んだのは10組のみ。なんとそこにゴキブリ捕獲器を開発した岐阜聖徳学園高校の4人組が進出したのです。

ファイナリストによるプレゼンは、災害時に救助道具を運ぶロボットの開発や、毒クラゲが発生したときの警報システムなど、かなりハイレベルです。

プレゼンを前に河村さんは「(上京するのは)初です。岐阜とは全然違う環境。すべてが初体験の状態です」と不安げ。ほかのメンバーも緊張が高まる中、ついに出番がやってきました。緊張した面持ちで舞台に上がった4人でしたが、堂々とゴキブリ捕獲器のプレゼンを行いました。惜しくも入賞は逃したものの、メンバーの内田さんは、このように語ります。

岐阜聖徳学園高校 内田莞司さん:
「ひとつのことに集中して調べるということは大学の卒論とかにもつながってくると思うので、今回の経験を生かしてやっていけたらと思います」

多くの人が苦手意識をもつゴキブリ駆除。未来のヒット商品になるかもしれません。

  • 中京テレビNEWS NNN
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