大宗教都市の往時の姿徐々に解明へ 勝山市平泉寺で僧侶の住居跡の石垣を新たに発見
勝山市の平泉寺で進められている発掘調査で、僧侶の住居跡の石垣が新たに見つかりました。石とともに歩んだ、宗教都市を象徴する新たなランドマークとして、勝山市では来年度から整備を進めて観光誘客につなげたいとしています。
白山平泉寺の旧境内は、戦国時代に一向一揆で焼き討ちにあうまで、8000人の僧侶たちが住む一大宗教都市として繁栄したとされます。
2008年から4年間行われた前回の調査では、僧侶の居住跡や石畳などが見つかりました。
今月から始まった調査では、平泉寺白山神社の南側で、住居が数多くあったとされる「南谷」と呼ばれるエリアで発掘が進められていて、このほど敷地を囲む高さ最大2・5メートルの石垣が新たに見つかりました。
勝山市商工文化課 藤本康司学芸員
「家を作り上げるなかで、もともと斜面だったところを平坦に造成していくなかで、どうしても壁ができてしまう このように石を積むことによって壁が強固になる 平泉寺はこういった形で少しでも強固にすることで、都市の整形が上手く進んでいったのではないか」
このほか、居住エリア一帯の解明の手がかりとなる巨大な石も見つかっていて、出入り口を示す門柱の可能性があるということです。
調査は10月半ばまで続けられ、勝山市では、来年度新たなランドマークとして整備を進め観光誘客につなげたいとしています。