物価高騰の波はどこまで及ぶのでしょうか。恵方巻も値上げが避けられないようで、寿司店では価格上昇を最小限に抑えながら変わらぬ味を守ろうと努力を続けています。

■鬼のうなり声
「悪い子はいないか」

福井市内の幼稚園では2月2日の節分を前に31日突如鬼が姿を見せ、なかには泣き出す子も。

市内で昆布やノリなどを扱う店の人が企画したもので、園児たちは紙芝居を通して、それぞれの心の中にいる鬼を追い出しました。

■園児
「Q心の中の鬼は？怒りんぼう鬼」
「泣き虫鬼」
「恥ずかしがりや鬼」

園児たちは恵方巻の風習についても教わり、プレゼントとして焼きのりを受け取っていました。

■園児
「友達いっぱいつくる願いごとをする」

こちらは創業62年を迎えた福井市内の老舗寿司店です。

31日から節分の定番恵方巻の販売を始めましたが、物価高騰の波が直撃。

コメの仕入れ価格は去年に比べ4割もアップし、対応に苦慮しています。

■初味寿司 2代目松谷亨さん
「40年弱だが、私が入ってから一番の上げ幅 コメを変えるとなると味が変わる」

この店では、具材として国産のかんぴょうやホウレンソウなどを使っていますが、天候不順による不作などで軒並み値上げに。

ノリについては、産地を切り替えるなどして、販売価格の上昇を最小限にとどめました。

■松谷亨さん
「ノリはわき役のイメージだが、しっかりしたものじゃないとおいしく巻き上げられない 陰の主役みたいなもの 値段が上がったから味も落ちたじゃなくて 値段は仕方ない でも味は変わらないね、頑張ってね、と言われるよう経営努力していかないと」

民間の信用調査会社帝国データバンクによりますと、全国の恵方巻の平均販売価格は1本あたり1000円を突破し、去年より14パーセントアップ。

値上げの波を乗り越え、変わらぬ味を守るため、店の努力が続きます。

＊初味寿司の恵方巻き1本900円（税込）
＊今年の恵方は「西南西」